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16 三週目 夜会 ミサ

 三週目の平日では、新しいキャラクターの登場を狙って学問を選んだミサ。狙い通りに攻略対象キャラクターであるピエールが登場した。

 そして、三週目の休日一日目、シャルルの体力が半分になっているため、ミサは休暇のコマンドを選んだ。

 シャルルのミニキャラがすやすやとベッドで眠り、日が変わった。


「ミサは誰を攻略するの?」


 ほとんどの攻略対象キャラクターが登場し、ユキはミサに誰のルートを攻略するのかを尋ねた。ミサは、少し考え込む。


「うーん、誰にしようかまだ決められない。とりあえず、夜会で好感度を確認してみようかな」


「たしか、リズムゲームで好感度あげることもできるんだよね?」


「そうそう。リズムゲームはあまり得意じゃないから簡単だといいなあ」


 ミサは、夜会に行く選択を選んだ。



--------------------------


ヴァルゴ王国 王宮 大広間


 大広間には豪華絢爛なシャンデリアがいくつもつり下がり、壁際には立食形式で高級料理が並び、奥には王宮専属の楽師たちが静かな音楽を奏でている。すでに数十人の貴族たちが集まっており、それぞれ談笑をしている。


『人が多いですわね。』

 

『今日は舞踏会だから招待された貴族たちも多いんだ。』


 アルジェントとシャルルは給仕から飲み物を受け取る。

 壇上で今回のパーティーを取り仕切っている王族が開会の挨拶をする。楽師たちは静かな音楽から舞踏用の音楽を奏で始める。


『シャルル、一曲踊ってくれないか?』


『喜んでお受けいたしますわ』


 アルジェントは、シャルルに手のひらを向けて一礼する。シャルルはアルジェントの手を取り、二人は部屋の中央へ歩いていき曲に合わせて踊り始める。



--------------------------


 画面には、ミニゲーム「ダンス」の操作方法が表示される。曲に合わせて方向キーやボタンをタイミングよく押すありふれたリズムゲームの操作方法である。


「アルジェントはチュートリアルかな?」


「たぶんね。多少失敗しても大丈夫でしょ」

 

 ユキの言葉にうなずくミサ。ミサは、コントローラーを握り直してボタンと指の配置を確認し、ミニゲームを開始した。

 

「よかった、簡単だ」


 画面中央ではアルジェントとシャルルのミニキャラが曲に合わせて踊っている。下部には左から右に音符が流れ、ミサは対応したボタンを押していく。

 アルジェントとのダンスは、スローテンポなワルツで比較的リズムが取りやすく、ミサは目立ったミスをせずにミニゲームをクリアする。


「ふぅー、ほとんどミスなし!」


「やったね!ミサ!」


 曲が終わり、結果が表示される。ほとんどミスがない結果で、ミニキャラのシャルルがクルクル回って喜んでいる。



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 アルジェントは王族関係者に誘われて休む間もなく二曲目を踊っている。シャルルは、知人へのあいさつをそこそこにして壁の花となっていた。

 そこに緋色の髪の男がシャルルに声をかけた。


『おや?シャルル嬢ではないか。』


『ロッソ様!ロッソ様もいらしてたのですね。』


『ああ。…連れはどうしたんだ?』


 ロッソはシャルルのエスコートがいないことに気が付く。シャルルは部屋の中央を見つめて答えた。


『王族の方と踊っていますわ。』


『…そうか。せっかくの舞踏会だ、シャルル嬢、私と一曲踊ってくれないか?』


 ロッソがシャルルに手を差し伸べた。


--------------------------


[ 1.ロッソと踊る

 2.断る ]


「アルジェントもそうだったけど、ロッソも専用のグラフィックが用意されてていいね。燕尾服のロッソも格好いい!」


「シャルルも可愛いなぁ」


 アルジェントもロッソも夜会では制服ではなく燕尾服を着用した立ち絵になっている。プレイヤーキャラとして画面左下に表示されているシャルルもドレス姿になり、縦ロールへアーをまとめ上げた夜会仕様になっている。

 ユキは燕尾服姿のロッソに、ミサはドレス姿のシャルルにメロメロである。


「それで、ダンスはどうするの?」


「もちろん踊るよ!」


 ミサは、1番の踊るを選択する。


「さっきより難しい…けど!がんば、る!」


 チュートリアルのアルジェントの時と違い、ロッソとのダンス曲はテンポがかなり速い。ミサは四苦八苦しながらミニゲームを攻略していく。

 結果、ミスを連発したが、ミニキャラのシャルルは微笑んでいる。


「及第点かな?」


 続いて次のキャラクターが登場する。



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 ロッソとのダンスが終わり、再びシャルルは一人になった。踊っている間にアルジェントの姿を見失い、はぐれてしまっていた。


『こんばんは、シャルルさん。』


『ごきげんよう、ピエールさん。』


 シャルルに挨拶をしたのはピエールであった。髪の色に近い紺色の燕尾服を着ている。


『ピエールさんもいらしてたのですね。』


『はい。…もしよろしければ、僕と一曲踊ってくれませんか?』


 ピエールもシャルルに手を差し伸べた。



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[ 1.ピエールと踊る

 2.断る ]


「あれ?!次はリュークじゃないの?!」


 夜会のダンスは、攻略対象キャラクターの好感度が高い順に誘われる。チュートリアルであるアルジェントを除けば、一週目で平日を一緒に過ごしたロッソが一番高く、二番目は同じく平日を共に過ごしたリュークだと予想していたミサは驚きの声を上げる。

 

「もしかしてリューク先生は貴族じゃないとか?」


 リュークのキャラクター紹介には教師としか触れられておらず、貴族なのか平民なのかは言及されていない。


「そうかもしれない。夜会だと貴族の三人の好感度しかわからないのかな…リュークの好感度はどこで分かるんだろう」


 困った表情を浮かべるミサ。


「それで、ピエールとは踊るの?」


「そりゃあ踊るよ!何にせよ好感度上げないとルートは入れないじゃん?今は全キャラの好感度を上げるよ」


 ミサは、1番の踊るを選択した。


 画面ではミニキャラのシャルルとピエールが踊っている。

 ピエールのダンス曲はアルジェントの時と同じスローテンポな曲だったため、ミサは楽々とミニゲームをこなした。

 結果が表示され、ミニキャラのシャルルは大喜びである。


「やった!」


 そして、夜会が終了し、画面はシャルルの自室を映した。



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