表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

11 二週目 休日 ミサ 後編

 休日一日目は、アルジェントとリーナとの遭遇イベントが発生し、街へ出かけることができなかった。

 ミサは、次こそはシャルルの体力の最大値を上げようと考えながら、 街に出かける選択肢を選んだ。



--------------------------


王都 教会


 シャルルと侍女は、街の広場から少し離れた所に建つ小さな教会を訪れていた。教会には街の住人や旅人など数人が礼拝に来ていた。入り口に立っているシスターに挨拶し、シャルルと侍女は祈りをささげた。



--------------------------


 画面は、シャルルの自室背景に戻り、魔術が1上がった、体力が10上がったと表示された。


「へ!?終わり!?」


教会で祈りをささげて誰にも会わずに休日が終わってしまい、戸惑うミサ。


「イベントがランダム発生だから、祈りをささげるっていうイベントだったんじゃない?」


「なるほど。必ずしも誰かに会うってわけじゃないのか」


 ユキの推理にミサはうなずく。

 休日に街に出かけられるが、プレイヤーが行き先を決めることができないため、必ずしも誰かに会えるわけではない。しかし、誰かに会わなくてもスキル値と体力の最大値は上昇する。


「えーっと、今のシャルルは…」


 ミサは、シャルルの現在のスキル値と体力を確認する。

 剣術スキルは一週目と変わらず69、魔術スキルは初期値40から92に上昇し、学問スキルは初期値40のままである。体力は、最大値が120に上昇したが、休暇をとっていないため、現在の体力は80である。

 

「ねぇ、ミサ。スキル値の他に今覚えている技も確認できるみたい。右矢印押してみて」


「ホントだ!」


 説明書を読んでいたユキが、シャルルの覚えている技を確認する方法を見つけた。ミサは、ユキの指示通りに操作し、覚えている技を確認する。そして、ユキは技の説明を読み上げた。


【技は、剣術では剣技、魔術は魔法として習得することができます。学問では技を習得することはできません】


「学問で技って言っても、ねぇ?」


「カンニングとか?」


「それ覚えちゃダメでしょ!」


 そう言って笑いあうミサとユキ。


 

「シャルルが覚えている技は魔法二つだけかぁ」


 覚えている魔法は、初期から覚えていた初級魔法ファイアボールと二週目に覚えたファイアアローだけである。

 

「剣術はこれから覚えるんじゃない?」


「たぶんね。まだスキル値が足りないのかな」


 魔術スキルと剣術スキルの差は大きい。ミサは、剣術スキルが足りないから剣技を覚えていないのだと推測する。


「じゃあ、次の週は剣術?」


 ユキがそう聞くと、ミサは首を横に振った。


「ううん。次は学問にする。ほら、まだ出てないキャラがいるじゃん?」


 ミサは、パッケージをユキに見せた。

 パッケージには、禍々しいオーラを発するシャルルが上部に描かれ、中央にはヒロインことリーナとリーナを守るように5人の攻略対象キャラクターが描かれている。


「すでに出ているのは、アルジェントとロッソ、リュークだったね」

 

 ユキは、すでに登場している攻略対象キャラクターを順番に指をさした。登場していないキャラクターは、青色の髪のキャラクターと金色の髪のキャラクターの二人だった。


「うん。アルジェントはともかく、他の二人はそれぞれのスキルに対応したキャラクターだと思うから、学問にも一人はいると思うんだ」


 剣術を選んだ週にはロッソと、魔術を選んだ週にはリュークと出会った。そこから、ミサは、各スキルに対応した攻略対象キャラクターがいると推測する。


「ねぇ、ミサ。それだと一人余るんじゃない?」


「えーっと、婚約者、剣術、魔術、学問…あれ?じゃあ、残りの一人はどうやって出すんだろ?」


 ユキとミサは顔を見合わせ、首を傾げた。


 

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ