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 06

 以前から、光明グループの黒い噂はあった。麻薬、貴金属、重火器などの取引を、配下のマフィアに命じて手広く行っている。その受け渡しに自分の系列ホテルやレストランを利用するらしい。


「本来ならば警察の仕事なんだが。情報を流している男が以前MIROCに助けられたということで、こちらに義理だてしてきた。ありがた迷惑な話だが」

「ホントですね」なにげに他人ごとのように相槌をうつサンライズ。

 それにも構わず乃木は続ける。

「情報によると、マオ大人のやり口がかなり詳細まで判ってきた。ヤツらは、ライバルになりそうな実業家をみつけると、次々と汚い手を使って消していく。二人三人とかじゃあない。

 もっとも、すべて殺しているわけではない。ただ、ヤツらのジャマになるような連中は、やたらとスキャンダルに巻き込まれるらしい。


 とあるリゾートクラブの経営者は、自宅の庭で男たちに襲われ、妻の前でレイプされた。その一部始終は録画されて、スポンサーになってたテレビ局に送られたのだそうだ」

「すごいですねえ、こわいですねえ」

 すっかりこの仕事に意欲をなくしたサンライズ。できるだけ世間話の続きのごとき口調で聞く。

「どうなっちゃったんですか、その人」

「テレビ局が、その様子をニュースで流しちまった、もちろんまずい部分は全部カットして画像も細かく編集して、なんだがね。しかし彼はそれでスポンサーを降り、現在訴訟中だ。テレビ局側は『アイツには元来そのケがあった』とうそぶいているらしいがね」


 とにかく、大人はかなりの強敵らしかった。

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