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「急にすまなかった」

 特務課長の乃木@シゴト大好き人間が、会議室に入ってきたサンライズにせかせかと近寄り、座るよううながす。

 有休を取り損ねてやってきたサンライズの肩を『同志』のように抱え、薄く笑みを浮かべていた。サンライズは無理やり椅子に押し込まれる形となった。

「すぐに説明するから、仕事の。かなり深刻な話で申し訳ないが」

 申し訳ないと言う割に、乃木の表情は何となく晴れやかにみえた。

 

 香港だけでなく、世界的にも著名な実業家と言われるマオ・ライ大人の大事な取引が、年末までに東京で行われることになった。

 やはり世界的に活躍しているソーンダイクというアメリカ人実業家とホテルの経営権売買を行う、というところから乃木の話は始まった。


 ソーンダイクとマオ・ライは表面上は良好なやり取りで結ばれた盟友どうしだが、実際は食うか食われるかの緊迫した関係だった。

 今回、光明グループが以前から欲しがっていたアメリカ西海岸地区の四軒をソーンダイクが売ってもいい、と持ちかけてきたらしい。

 後は値段の交渉がこの取引の要だと言われていた。

「マオ・ライを知ってるだろう」

「もちろん」猫の話も有名だ。


 捨て猫が、香港で一番豪勢なレストランに迷い込んだ。ボーイ長が出てきて

「失礼ですが、ご予約のみ承っております。奥さまのお名前は」

 そこで猫がひと声「マオ」。ボーイは震えあがって、奥の支配人を呼んだ。支配人はコックに大声で命令した。

「急いで一番豪華なコースをご用意しろ!見えないのか、マオ大人のお連れさまがおみえだ」

 マオ大人本人が、この話を大喜びしたらしい。


 しかし確か、ヤツらのことは今、ティントレットが追っていたはずでは。

 そう言ってやると、乃木が身を乗り出してきて

「ティントレットが、コケたんだ」

 一応、深刻そうな皺を額に刻んでそう答えた。

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