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 03

「火は取られちまった。あるか?」

 サンライズが傍らについていた捜査官に目をやると、彼はズボンのポケットからライターを出して火をつけてやった。

「オマエさんも吸うか」

 エリックは、またごそごそと懐を探ると箱を出し、サンライズの胸元深くボックスごと押しつけた。

「オレはこれで禁煙する、あとはクリスマスプレゼントにやるよ。しまっとけ」

 にやり、とお得意の笑いで付け足した。

「肺ガンで死ぬまで、命を大事にしろよ。それとできたらヤツを連れ帰ってやってくれ」

「え?」

「いいヤツだったぞ、やっぱりな」

 禁煙する、と言ったわりにはうまそうにひと息大きく吸ってから、謎のような言葉を吐いて空いている左手で彼のみぞおちに軽く、パンチを入れた。

 それが別れの合図だった。彼らは車へと去っていった。



「サンライズは?」

「さあ……さっきまで調書とってたんですが」

 課長の乃木が現地に近いMIROCの拠点事務所に着いた朝五時半、なぜかサンライズの姿は消えていた。

「先にシャワー浴びて着替えて、それからルディーの泊まってる病院とシヴァの所に電話して、その後オンラインの花屋で新宿の何とかっていう店に花束を贈るよう総務に頼んでいて、その後調書を取って……30分くらい前までは確かにあそこの席に」


 ノギが席に行ってみたら、小さい紙が一枚置いてあった。

「なに?」

 取り上げてみたら、こう記入されている。

「有給休暇届け? 東日本技術部特務課、青木一晴(サンライズチーム主任)日付……

今日じゃねえかよ!」

 すでに姿を消した男の代わりに、乃木はその紙をやみくもに振り回した。

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