06
そこに勢いよく、ドアが開く。ノックくらいして欲しいわ。
「なんだ、帰ってたのか」明かりがついてるから分かるでしょう? バカなヤツら。
私は息を切らしながら、入り口に立ちはだかって腰に手を当てる。
「その前に一言ないの?」
「何だよ」
「メリー・クリスマス、でしょ」
ヤツは口の中でもごもごと繰り返してつぶやいた。
「で、何よ」くわえ煙草のまま、にらんでやる。
「用事?」
「そのカッコウ……」男は、目のやり場に少し困ったようだが言葉を選び
「パーティーにも出ずに、何やってたんだ。大人が探してたぞ」
「お店に行ったわ、彼にもちゃんと言ったし」
「帰って来たのは」
「ちょっと前よ。ねえ、それよかさ」
ドアに寄りかかって進路をふさぐ。できれば中に入られたくはない。
「ここでもパーティーの真っ最中なのよ。ジャマしないでくれる?」
誰だ、と聞く前に、そいつは私の脇をすり抜けて中に入ってきた。奥の部屋をのぞく。
「何だよ、真っ暗にして」
壁のスイッチを入れると一瞬、部屋が黄色い光で満たされた、がすぐさま消してやる。
「だめ、明るくしちゃ」
ヤツが口を開く前に、しゃべってやった。
「あのボーヤ、おびえちゃってさ。お店では元気ハツラツ、やる気マンマンだったのに。ちょっと可愛がったら、ねえ」下から覗き込んでやる。
「困っちゃうわ」
「ボーヤって」
「大学生だってさ。ケーオーギジュク、だっけ、なんだっけ? 国会議員のムスコだって」
ヤツの口元が少しだけ上がる。
「あまり、ヤリ過ぎんなよ」
「じき、帰らせるわよ。そっちのパーティーは終わったの?」
「ああ……」あやふやな表情で、あたりを見回している。
「一応ね」
「何かあったの?」




