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 04

 支部長からの電話を受けたのは、23日の朝だった。


 今日明日は、サンライズではない。会社名・青木(あおき)一晴(かずはる)、本名・椎名(しいな)貴生(たかお)は有給休暇消化中。由利香が持ってきた電話を受け取った時は、まだ布団の中だった。

 電話はいきなり用件に入っていた。

「パーティー会場に潜入して、書類を盗み出して欲しいんだ。24日の夕方」

「ふぇ?」

 眠気はふっ飛んでいたが、とぼけたい気持ち120パーセント+30パー。

「パーティーって、明日でしたっけ? もしかして」

「そう、24日」

「ええと、パーティーって言うと、招待状が」

「取り寄せた。なんとか一組分」

「服がないです」

「ボビーとルディーが衣装部から借りてきた」

「あのですね」たいがい、この言葉の後に続く言い訳には説得力が欠ける。

「今、有給休暇なんです。それも今日明日。理由もちゃんとありますよ。今日は鎌倉のばあさんの墓参りで、明日は娘の誕生日なんです」

「重々承知だ、本当すまない」

「シヴァもボビーも、ルディーだって働き過ぎですよ。しかも25日は絶対休めないし」

「彼らにも連絡した。みな了承した。サンライズ・リーダーに従うと」

ってオレまだ了承してねえし。

「ゾディアックチームは、どうなんですか」

「メキシコに行った」え? 一昨日までグリーンランドだったのに?

「ローズマリーチームは」

「言ってなかったか? 彼は入院中だ」

「聞いてません」ずる休みに違いない。それか飲み過ぎ。痔の手術かも。

「絶対行きませんからね」

「では、今はゆっくり休んでくれ。今日13時から支部の7階、小会議室だから。打合せと準備に今日と明日ギリギリまでかかるから、今夜泊まりのつもりで」

向こうは全然参っていない。電話が切れた。

 急に、隣の部屋で双子が同時に泣きだした。


 ジョー、立つんだ、ジョー


ゆらりと、サンライズになった男は立ち上がった。

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