04
「一つだけ、手があるわ」
私は急いで彼から離れた。さっき着たスヌーピーのパジャマをまた脱ぎ棄てる。
あぜんと見守る彼に向かい
「アンタも、すぐ脱ぐ」
強く言ってやった。
抵抗するかと思ったら、彼はすぐ、言われるままシャツのボタンを外し始めた。が、すぐに手をとめ
「下着も?」と聞くので
「全部」それでも黙って従った。
私は下着のまま、ベッドの下から明るい茶色のトランクを引っぱり出した。ふたを開けて中身を取り出すと、彼はぎょっとしたように身をひいた。
「何これ」
「いいから、助かりたかったらヤツらが帰るまで言うとおりにして」
私は黒いコルセットをつけながら、てきぱきと指示を出す。
「まず首輪、そうそれ。止めは後ろに。そう」
ベッドの向こう、壁の上の方に輪がついてるでしょ、あそこに立って。壁の方向いてね、あ、その前に」
背中のコルセットをひとつひとつ留めてもらいながら、化粧をし直す。
「こういうこと。いい?アンタは、お店に来たボンボンの大学生。刺激を求めて私のお店に来たの。新宿二丁目のラヴ・レッスン。ずっと店で飲んでたんだけどもっと刺激が欲しい、ってついて来たの、私に。それからここで飲んで、あ、いいわ」
自分の支度ができると、彼を壁の前に立たせ、「手をあげて、そうそう」革の手錠で昆虫の標本よろしく、手足を壁に留めつけた。
「で、いいわね、その後からSMプレイのお楽しみ、ってわけ。アンタは背中に煙草の火を押しつけられたり、鞭をくらったり……」




