表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/51

 13

 ようやく、上体だけ起こす。

 眼鏡がいつの間にか無くなっているのに気づいた。今さら、眼鏡なんてあってもなくてもどうでもいいが。

 しかし、わが身のことは重大問題。すでに可能性は一つだけ。

「お願い」上目をつかい、ここで同時に相手の心に触手をのばす。

「乱暴な……あの、乱暴なことはしないで」


 相手を誘う、どうやるんだ、こんなぎりぎりの状況で。ロッククライミング中にたき火をするより難しいかもしれない。しかも『押す』タイミングをはかるなんて。

 できるだけ、弱っているように見せねば(本当に、弱っているんだけど)。

 そして、できるだけ好きそうに(触るな、というオーラが出ませんように)。


「どうせ、殺されるんでしょう?だから……お願い、せめて」

 ヤツの顔を伺う。暗がりではっきりとはしないが、確かに、掴みつつある。

「ほう」相手がにやりとしたのが分かった。

「冥途の土産に、楽しい思い出が欲しいのか」

「アナタなら……悦ばせてくれそうだから。他のヤツらはみな……だから、お願い。抵抗はしないから、せめて最後くらい」

「よく分かった」仕立てのよさそうなスラックスが間をつめて、彼の前に立ちはだかった。かすれた声が楽しげにひびく。

「まず、オマエのズボンを降ろすんだ。壁を向いて立て。手は後ろに」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ