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 12

 すがるような目線を、あえてマイキーに向ける。ほんの0コンマ数秒。

 つばを呑む微妙な間の後で、マイキーが言った。

「大人、なんなら私がちょっと片付けてきましょうか、ヤツを」

「済んだら、必ず殺せ」

 大人の氷のような一言に、今度はエリックがぎょっとしたように向き直った。

「別に殺るこたねえ……」

「うるさい」大人、すでに目の前の男に興味を失ってしまったようだ。

「エリック、オマエが受け渡しの場所に行け。ワンルー、一緒に行ってやれ。あと二人つける。3時間しかないから、すぐ出発しろ」


 エリックが、気遣わしげにちらりとこちらを見たのが、顔を伏せたままでも感じられた。しかし、そのままマイキーに銃を突きつけられ、サンライズは小突かれながら部屋を出ていった。



 エレベータのドアが開いたのは、地下2階。

「出ろ」

 駐車場の下のフロアは、ランドリーとゴミ集積所を兼ねた、せまくて埃臭いスペースだった。電気もほとんどない。

 守衛室はあったが、駐車場の見回りに出ているらしく、誰の姿もなかった。

 馴れた手つきで電気のスイッチを入れ、マイキーは彼をぐいぐいと押して奥へと連れて行った。

 暗がりになったランドリーとキャビネットとの間がちょうどわずかに開いている。壁はうちっ放しのコンクリートらしく、床もそうだった。その片隅に汚れたシーツが、腰の高さくらいまで山になっていた。

 マイキーは、その山に彼を突き飛ばした。

 埃と、すえたような古い汗と、しめっぽいカビ混じりの土の匂いが鼻をつく。彼はぐったりと、その山の上に身を投げ出した。

 マイキーがせかせかした口調で命じる。

「全部脱げ」

 まさか洗濯してくれるわけではあるまい。

 サンライズは苦しげに脚をひきつけ、丸くなろうとする。

 その背中をいやというほど蹴られ、たまらず声をあげる。

 マイキーは罵声を浴びせた。

「もたもたするんじゃねえ。もっと痛い目に遭いたいのか」

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