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 スキャニングが危うくはなってきたが、だいたいの気配は読める。

 一番近いところに立つエリック(図体のわりには敏捷で、かっとなると止めどがない。だが攻撃が正確なので、かえって大ケガをさせられずに済んでいる)は、怒りというより興奮状態だった。

 大人の気配はあまり強くはないが、視線と同じく冷え冷えとしている。

 いつもは温和で寛容な実業家を演じてはいるが、いざとなると誰よりも冷酷、かつ残忍になれるだろう。その時のエネルギーに、サンライズ・リーダーはできるなら触れずに済ませたかった。

 大人の右腕であるヨンファ、腹心のワンルー、マイキー(この男の邪念は、それだけに限って言えばこの中で一番強い)、そして弁護士のアップショウ、ある者は強く、ある者はかすかに(自分の怯えをひたかくしにして)、しかし一様にさげすんだような思念で、彼を見おろしている。この場で、次の行為に移るのは比較的簡単だ。


 彼はよろめきながらいったん立ち上がった。

「金をもらったんだ、金庫からブツを持ち出せ、って」

 泣き伏して、エリックの前にひざまづく。

 ひねったペンを足元に再び落とし、自分は少し身をひいたエリックを追って前に這って行くふりをしてまた、後ろのデスクにけり入れた。

「もう二人と、金を分けた。アイツらはうまくトンずらしちまったけど」

「その金を誰にもらった、え?」

 エリックは彼の襟首をつかみ、前後左右めちゃくちゃに振り回す。背中がむき出しになった。

 その時、マイキーの気配がより一層濃くなった。

「さっきもエリックの旦那に言ったけど、オ、オレは本当にそれしか聞いてなかったんだ。大人の金庫を開けて、中から緑の封筒を持ち出せって。厚いし、下にRGFって書いてあるからすぐ分かる、って」

「誰に言われたのか聞いてるんだよ」

 ヨンファが一歩進み出た。

 セイフティーを外したオートマチックを低く構えている。

「やめてくれ」演技の余裕もなく、声が裏返る。

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