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 08

 部屋には、先ほどの連中がまだひしめいていた。

 大人が悠々とデスク前に立ち、金庫の前には見張りのようにワンルーが立ちふさがっていた。次男のヨンと小柄な男が隅の方、拡げた書類の前で額を突き合わせ、4男のマイキーは入口付近で葉巻を咥えている。

「ソイツの話を聞いたか」

 顔を上げてそう低く聞いたヨンに対し、

「だから連れて来たんだ」

 エリックが、どん、と彼を突いて部屋に入れた。マイキーがそれを受け止める。

「おかえり、泥棒野郎」

 少し長い時間をかけて、彼の身体に手をかけたまま、その疲れきった様子を仔細に眺めていた。

 ワンルーが丸い縁の眼鏡を持ちあげて言った。

「ソイツはとんでもないブツを持ち出しやがった」

 顧問弁護士だという男もいた。視線が定まらず、汗をかいている。間違えて虎の巣に入り込んでしまったハイエナか。

「大事な取引が近いというのに、今あれが出たらスキャンダルどころじゃない」

「書類だろ」エリックがそっけなく言った。そこにヨンが

「それに昨日買ったアレ」と言うと

「そうそう、一番金になるからなあ」しれっと付け加える。

「アレは分かるが、書類の事はどうして分かったんだ」

 弁護士のアップショウは、終始おどおどしている。そりゃそうだろう。あれが暴露されれば、どんな弁護も焼け石に水だ。

「書類のことも吐いたぜ。コイツに聞けよ」

「言う、言うから離してくれ」

 情けない声で、サンライズは手足をばたつかせる。みな話を聞きたい方に気を取られているせいか、いつの間にか手錠が外されていることには気づいていないようだ。

「ほう」大人が、初めて興味深げに口をすぼめた。

「エリック、オマエが吐かせたのか」

「ああ」

 いたずらカラスをパチンコで追い払ったかのように、彼は得意げに鼻をうごかしていた。

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