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 06

 エリックは2階、北側出口連絡通路につながるフロアのボタンに手をかけたまま言った。

「これでやっと家に帰れるな、コソドロさんよ」

 ボタンを押そうとした手を、彼は止めた。

「いや」

 そして16階のボタンを押すのを、エリック、驚いたように見つめる。

「オマエさん、気でも触れたか」

「一つだけ、まだやり残したことがある」

「絶対、帰らなけりゃ、って言ったろう? 上には大将どもが待ちかまえてるんだぜ、今なら逃げられるっていうのに」

「分かってる」

 エリックは叩きつけるように2階ボタンを押した

 軽く、浮き上がるような感覚を残して、エレベータが止まった。

「オイラのことを心配してるのか? なら心配するな、ヤツらのことはよく分かってる。いくらでも言い逃れはできるさ」

「道具を、一つ忘れてきた。処分しなければあと二人死ぬ」

「逃げた仲間のことか?」サンライズはうなずいた。

 忘れてきたデータの中には、ルディーとシヴァの識別データが入ったままだった。彼らのような組織ならば、いずれはたどり着かれてしまう恐れもあった。

「空き巣にも、それなりのプライドがあるんだ。行かせてくれ」

「じゃあ、オイラも行かなきゃな」

 ヘラヘラと笑っていたが、エリックの目は急に鋭くなった。

「自分の見てない所で、何が起こってるのを黙って見逃せないタチなんだ、それに」

 手錠をしていないのを他の人間に気づかせないように、彼の手首を合わせて掴み、少し身を寄せて後ろについた。

「オマエさんの見張りなんだぜ、オイラは」

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