04
エリックの頭の中、はっきりしたイメージがうかぶ。
一連の流れをもつ、ストーリー……一瞬のひらめきといっていいくらいのわずかな間のものだった。
しかしくっきりと鮮明に、頭の中に像を刻んでいる。
次に何をすればいいのか、何をすべきか。
エリックは大きく目を見開いたまま、隣の男を凝視した。
彼がつかの間、エリックの目をまともに見すえた。
「頼む」声にならない声で彼は言った。
「助けてくれ」
そのとたん、ぐい、と前に引っ張られたような衝撃、エリックはよろめいて彼の肩につい手をかける。
ほとんど考える暇もなく男がその手に押されるよう彼のひざ元に屈し、エリックはと言うと、俊敏な動作で立ち上がると同時に彼を小突きまわし、大声を出していた。
「まだ何か言うことないのか、手こずらせやがって」
本気ともいえる勢いで、足元にすがりつく男にケリを入れる。
「デタラメだったら承知しねえぞ。目ん玉くりぬいてやる。その話をそのまんま大人に言うんだ。いいな、オレに吐いた通りに、正直に言えよ」
「全部話します、全部、大人にも話します、許してください」
「看守! はよ来いや」ひざ下にすがり、必死に許しを乞う男をもう一度手荒くけり倒してから、エリックは外に向かって叫ぶ。
「誰だ」看守はけげんそうに近づいてきた。
「前の係はどうしたんだ」
エリック、ふんぞりかえって声高に問う。
牢の中のヤツが何で? という顔をしていたが声をかけられた男はそれでも真面目に答える。
「え? ああ、先ほど交代したばかりで……」
エリックはふん、と鼻をならした。
「オマエの名は?」
「あの、アナタは……」
隣にいた連れがあわてて袖を引っ張った。
「バカ、あれ、コォロン様だ」ひっと息をのむ音がした。
「わ、わたくし李秀明と申します」あわてて付け加える。「閣下!」
「よろしい、」エリックは落ち着きはらって
「ならば、前の係から聞いただろうが、中の男の尋問が終わったので、今から大人の所に連れていく」
「はあ」
「扉を開けろ」
「あの……どうして鍵がかかって」




