表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/51

 02

 しばらく、静かな時が過ぎた。


「何が何でも、早いとこ終わらせて帰る」

 突然、サンライズは起き直って、はっきりした声でそう宣言した。

「どうしたんだよ、急に」

 エリックが笑いを含んだ声で聞く。

 サンライズにもわからなかった。ただ、急に強い思いに衝き動かされた感覚だった。口に出して言っておかないともう二度とここから出られないという強迫観念にも似た何か。

 祈りのようなものなのだろうか? 勢いにまかせて彼は続ける。

「いくら警備がしっかりしてようが、いくら拷問されようが、ヤツらが帰らせてくれる気が全然なくても、オレは絶対帰らなくては」

 そのビックマウスぶりに、それとも真摯さにか? エリックも驚いたように背筋をのばし

「ほう?」

 改めて、彼を見なおした。

「どうした? 大事な用事でもあるのか」

「娘の、誕生日なんだ」

 それきり黙ってしまったサンライズは、エリックの視線をしばらく感じていた。

 次に口を開いたとき、エリックの声は静かなほど落ち着いていた。

「娘はいくつだい?」

「六歳になった」

「いっしょに、住んでるのか」

「ああ」

「家族、ほかにいるのか」

「妻と、赤ん坊があと二人、男の子」うっすらと笑みがこぼれる。

「双子なんだ」

「はあ」エリックも笑った。「それじゃあ、稼がなきゃな」

 家族が多いのはいい、エリックは微笑んだまま壁の方をみていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ