表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/51

 01

 業務用リフトを降りて地下2階、更に少し階段を下りた鉄格子の部屋に、二人は並んで座っていた。

 落ち着いてしばらくすると、エリックは背広の内ポケットから煙草を取り出して

「一本やるか」

 勧めてきた。サンライズはかぶりをふった。

「今はいい」

 エリックは火をつけて一息たっぷりと吸いこみ、ふうっ、と煙を吐き出してから

「モノ盗りか?」

 楽しそうにそう聞いてくる。

「葉巻を盗りにね」

 応えると、おかしそうにくすくす笑った。

「オイラはさあ、」息つぎをしてからもまだ笑っている。

「ちいっとばかり金に困ってね……兄貴のブタの貯金箱を開けに行ったワケさ。

パーティーの最中に、なんだかおかしなヤツらが外で見つかったって聞いてよ、オイラが目えつけてたお宝が盗られっちまったらどうしよう、って焦ったのよ、そしたらよ」

 ちらっとサンライズをみる。いたずら坊主の目つきだ。

「やっぱり書斎に入ったんだな。金庫開けたのか」

「ああ」

「でもアレはまだ残ってたぜ」

 何の話か分からないが、多分エリックがさっき金庫から出して今、どこかに隠して持っているものだろう。

「欲しかったのは、書類だ」

 なぜか彼には正直に話をしている。

「そっか」

 エリックは、長くなった灰を太った親指で器用にはじき飛ばした。

「まあ大人はお宝だけは一杯ため込んでるからな」

 どんな書類かについては、全然気にしていない様子だった。

「仲間に裏切られたのか? 先に逃げたヤツらも一味なんだろ?」

「まあね」

 裏切られたわけではないが、そういうことにしておこう。エリックはやれやれというふうに首をふる。

「もし無事にここから出られたらさ、復讐してやればいいよ、無事に出られたらな」

 サンライズは膝をかかえて、黙って座っていた。


 外国産らしい煙草のきつい匂いが、煙にのって牢獄の中を漂っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ