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「誰だこいつ」声を出したヨンという兄貴はどちらかというと痩せていて陰気そうだ。
「オレに聞くな」
エリックはサンライズをつかまえたまま離さない。
見かけがチャラチャラした割に、力は強い。さっきのソファへ走った様子からも、意外と敏捷そうだ。
しかし本当に間が悪い。
すぐ連絡を入れたらしく、頑強そうな男が更に四人やってきた。
「ご苦労、オリに入れておけ」
エリックは差し出された手錠をサンライズにかけると、彼らににこやかに言った。が、大人も他の男たちも動かない。
「え、何?」
「オマエも一緒に入るんだ」
「何でだよ」
「オマエはオイタが過ぎるんだよ」
後ろにいた男がにやにやしながら言った。こいつも兄弟か。笑い方がエリックに似ているが、もっと下品な感じがする。
「オレの手柄だろ? もっと優遇しろ」口をとがらせて抗議するエリックに
「葉巻を盗ろうとしてお手柄か?」
そう言って更に哂っている。確か、マイキーという名前だ。
目は最後にサンライズで止まり、そのまましばらく動かなかった。彼を珍獣のごとく眺めながらマイキーは言う。
「今から大事な話をするから、しばらくオリにいるんだ。手錠はいいにしてやる。良い子で反省してろよ、後でケツ叩いてやるから」
「大人、11時半には会場に戻らなければ」ヨンが時計に目を走らせた。
「ソイツらを連れて行け」
男たちに挟まれ、サンライズとエリックは退場。エリックはまだぶつぶつ言っている。
サンライズは黙って歩いた。
ますます家が遠のいていく。窓の外、ふと目をやると、ちょうど雪がひとひら舞い落ちたのが目に入った。
「キョロキョロすんな」
左の男にこづかれまっすぐ前を向かされて、彼はそのまま引っ張られていった。




