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 01

 もうすぐ18時、という頃、照明がやや暗くなった。一瞬、会場のざわめきが消えた。

 音楽が止んで、前方のステージにスポットが灯る。

 司会者の深い声がひびく。続いて、光明グループの紹介映像が派手な音楽と共に始まった。これが数分続いてからその後、マオ大人(たいじん)本人が登場するのだろう。

 彼はそっと携帯電話をみた。まだ動きはなさそうだ。

 ルディーが心配だった。

 今朝はようやく熱が下がっていたが、ああいう風邪はだんだん熱が上がってくるものだ。昼過ぎ以降会っていないが、まだどこか幸せそうな顔をしてたのが気になる。ヤツには幸せは似合わない。


 18時10分、VTRが終了すると同時にステージにまばゆい明かりがともされた。

 マオ・ライ大人が、いつの間にかスクリーンの前に立っていた。

 鳴りやまない拍手、トランペットの華やかなファンファーレが響き渡る。

 マオ大人は、おおらかな笑みをたたえ、両手で会場全体を祝福するようにゆっくりと体をひねって挨拶を繰り返した。

「お集まりのみなさん」場内は、しん、と静まり返った。

「ここでお会いできた歓びを私は何と表現したら……? クリスマスなのに、家族と過ごせない可哀そうな皆さまに」

 場内大爆笑。サンライズは作り笑いを浮かべながら、実はかなりムッとしていた。全くその通りだよ、ジイサン。

 話は簡潔でウィットに富んで、時には笑いや拍手が飛び出し、10分は続いたのだろうが、それには誰も気づかないほど人々を魅了していた。

 スピーチがいよいよクライマックスに入った。

「我々をいつまでもご支援ください。ありがとう、よいクリスマスを」

 割れんばかりの拍手の中、携帯が震えた。拍手しながら画面をみる。

 簡潔にこうあった。


「トナカイはまだベッド。サンタは待て」


 まだ作業中ということか。時計を見るとすでに18時半は回っている。

 サンライズは少しだけカマーバンドを前に引っ張って緩め、ためていた息を吐いた。

 

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