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 敷地から持ち出すのは、サンライズの仕事。塀を乗り越えて帰る二人は多分逃げるのが精いっぱいなので、できれば持たせたくない。データ入手が完了したらすぐ受け渡しをするために、暗号の内容も決めた。

 三人で額を寄せあい(さすがにルディーはマスクをしてくれていた)、ホテルの見取り図で受け渡し場所を検討する。

「トイレか、リネン室だな」

「後は、サイズの問題ですね」


 会議終了はそれでも22時を超えていた。

 廊下に出て、自分の携帯を出す。

 使えるのは今日いっぱい、明日朝からは業務用の通信機に持ちかえなければならない。

 何も連絡は入っていなかった。彼は由利香に短いメールを入れた。

「明日夜9時までには戻る。遅くてごめん。美苑に寄って帰る。明日遅くに寄ると電話しておいて下さい。今から明日帰るまで携帯使えないかも」

 少し待っていると、返信があった。幼い子ども三人、一日相手をしているのにまだ起きて連絡を待っていてくれたのだろうか。

「了解しました」

 絵文字の一つも入ってない。しかも敬語。六文字にひしひしと怒りを感じた。

 電話するのは止めておいて、電源を切った。

 きびすを返すと、後ろに音もなくシヴァが立っていた。サンライズ飛びあがる。

「なに?」

「タイジンのカノジョが、SMの女王さまだって、ボビーが教えてくれた。シヴァ、見られなくて残念ねえって。ボビーも急に出かけることになったんで、残念がっていたよ」

「へえ。オレは観られなくていい」

「せっかくのクリスマス・イヴなのにね、ってさ」

 うんうん、まあ、オレにとっては単に娘の誕生日というだけに過ぎないけどね。

 うなずいている彼に、シヴァが無邪気な顔でこう聞いた。

「ねえリーダー、SMってどこの国の略なの?」


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