大学の朝での出来事
「ふぅ、これでプロテクトはこれでOKだな。次は…ああこれか、さっさと終わらせてしまおう」
全くもって今やっている作業は面倒くさい、コンピュータでの活動をメインにしているサークルに所属している友人から頼まれたプラグラムの構築、これが予想以上に面倒。何で自分でやらないのかと問い詰めたくなる。まあそれを律儀にやる俺も俺だな。お人よしというかなんというか、まあさっさと終わらせてしまおう。早く終わらせて今日の夕食の献立を練らなくては。
「よっ、何時もはやいな有斗」
「おう、これが俺のが何時も通りの時間なんだよ。そういうお前だって俺に合わせて早く来てるじゃないか」
「まあ、変なプライドっていうか考えからお前と時間を合わせたのさ」
「可笑しな奴だ」
現在の時刻は7:40分。俺のクラスはこの時間には人が非常に少なく、教室に居るのは俺ぐらいだった。これは高校時代から癖だった。1時間ぐらい登校までに掛かるので朝早く起きて6時には家を出ていた。勿論朝御飯などをしっかり作った上でだ。それが日常となっていた。そしてそれに合わせるように俺の友人も朝早くに来るようになった。如月 鉄也、俺が親友と呼べる奴だ。
顔立ちはそれなりで悪くはない。寧ろ女性に好かれるタイプの顔をしていると思っている。運動もそれなりに出来るし対人戦でも中々立ち回れる。実際不良ぐらいなら夢双出来るしな。実際鉄也は風紀委員の副委員長っという役割をしている。まあ流石に俺には適わないけど。っていうか元空手の有段者として負けるわけにはいかない。
が、本人曰く全く友達が出来ないのが悩みらしい。俺を含めて友達が4人しか居ないらしい。それは流石にないだろうと思っていたらそれがマジだった。試しに携帯の電話帳を見せて貰ったら、俺と両親と兄、後は真っ白だった。他の3人はまだメアドの交換は言い出せていないらしく、腹を割って話せるのは俺だとか。なんとも不遇というかなんというか
「それで例のプログラムっていうのは終わったのか?」
「もうちょいって所だな。こんな事を俺にさせるなっての」
「はははっ、そんな高度なプログラミングはお前しか出来ないって。高スペックな学生もお前だけだしな」
失礼な、俺は平凡な学生だ。唯、将来の為に資格を取り巻くって、色んな事が一流なみに出来るように努力して、色々出来るようになっただけの大学生だ。そこん所を間違えないでほしい。
「人を何でも出来るような化け物みたいな事いわないでくれ。俺にだって出来ない事はある」
「たとえば?勉強も学園1位、運動だって学年トップクラス、歌唱力にたいていの楽器なら演奏出来る腕前、普通の女子よりも高い女子力、メイクだってお手のもの。オマケに女より女らしいときたもんだ。何が出来ないっていうんだ?」
「彼女を作る事」
「………お前なら彼女引く手数多だぞ」
「それはない」
それはない、これは確信出来る。俺は根っからのシスコンだ、これは断言していいだろう。妹も姉だって大好きだ、妹に頼まれれば何でもする気になる。中華にする予定だった夕食をフランス料理に変更する事だって出来る。姉のお願い?気が向けば叶えよう。
「いやいや、お前どんだけ校内の女子から人気あると思ってんだよ。その気になれば彼女作れるだろ」
「いや彼女作るぐらいなら家事をするさ、俺が家を支えなきゃいけないんだ。遊び暇があったら家事に回すさ、時間があれば妹達の相手をするさ。自分の欲求を叶える位なら妹の願いを叶えるさ」
そうだ俺はそう誓ったんだ。俺は家族が出来た事で十分幸せになれた。だからこれ以上の幸せは必要ない。だから俺の幸せは妹や姉にやる、その分俺が家事なんかの事やって妹達は遊ぶ。これで十分だ
「…お前さ、少しは自分の事を労わったらどうだ?お前の生き方ってかなり歪んでるぜ?少しは自分のやりたい事を見つけてだな、家族じゃなくて他の事に目を向けろよ」
「家族を支える為なら喜んで歪んだ生き方をしてやるさ」
「かわらねぇな…ほら、プログラム完成させちまえよ。それで余った時間でゲームでもやろうぜ?」
「今日の夕食の献立考えたいんだけど…」
「少しは友人の遊びに付き合えよ」
「わぁったよ」
ったくしょうがねぇな。ならさっさと終わらせちゃおう。
15分後
「よし終わった!」
「おしお疲れさん」
あ~あ…やっと終わったよ…4徹した甲斐があったな。
「因みに製作期間はどのぐらい掛かったんだ?」
「4~5日だな。今日までずっと徹夜してやってたから早く終わった」
「おいちょっとまて、お前そんなに寝ていないのにそんなに肌艶々で髪も艶々なのかよ」
「4徹ぐらい慣れっこだ。1週間は普通に徹夜出来るからな」
「なにそれこわい」
これは有斗にとっては平和の日常
遅くなって…すみませんでしたぁぁぁあ!!
色々悩んだ挙句この短さ…申し訳ありません。