日常と非日常の境界
「・・・はぁ~・・・終わった~・・・」
現在、11:36。漸く掃除と洗濯が終わり、俺はソファに倒れこむように座った。
姉さんは友達からの、遊びの誘いを受けて出掛けていき、雷子は学校に行き
天李は遠足だったな。楽しんだろう~な~・・・。
目の前にあるテーブルに転がっているおもちゃのコインを掴み、親指で弾いて床に
落とした。コインはゆっくりと地面に落ちて、音を立てて何度か跳ねてて、そのまま
転がって何処かへ行った・・・とても静かだ・・・。この家は俺が居る時は何時も騒がしい
姉さんの音楽プレイヤーから流れる歌。雷子の宿題に悩む声に、俺に甘える天李
様々な意味で喧しく騒がしい、まったく、こんな風に静かに過ごせるとは思わなかったな
『今こそ天井突き破って~♪そのまま新しい世界を探しに行こうよ~♪』
ん?この着メロは・・・懐から携帯を取り出し通話ボタンを押す
「もしもし」
『あ~俺だよ、聖だ。今いいか?』
誰かと思ったら聖か、俺の友人の一人でまともな人間。俺の友人は何かとキャラが濃い奴が
多い、生粋のマゾヒストだったり、変態という名の紳士や、八極拳とカポエラを極める達人
更には医学に精通したハッピートリガーなライフル射撃部員だったりと・・・
何故かまともな人が少ない、そんな友人の中で聖こと、闍紋 聖斗は
数少ない常識人である友人である。何で俺の周りにはこんな人間ばっかりいるんだか・・・
「んでなん用だ?」
『ああ。実はさ探偵として、事件解決の依頼が入ったんだけどさ』
「マジか?」
聖は他人と少し違う所を上げるとすれば、兄が探偵をしているという事に影響されたのか
探偵を受けよっているという事、でも大抵の依頼は人生相談や落し物の捜索願など
最早万事屋扱いされている。そんな聖の元に事件の依頼が舞い込んでくるとは・・・
珍しい物もあるもんだ。
『ああ。今日の2時頃に依頼人と会うんだけどさ、そん時に手伝いとして参加してくれね!?』
「おいおい、俺が家事で忙しいのを知ってて言ってるのか?」
『それは十分に承知差!でもあいつらだと折角の依頼者さんに何をしだすか解らん!!
頼む!このとぉぉぉおり!!今度家事を手伝うからさ~!!!』
どうやらマジで困ってるらしいな・・・まあ、マゾに変態に武道の達人にトリガーハッピー
この他にもまともな奴はいるが都合が合わなかったんだろうな、まあ妥当な判断か・・・
「はぁ・・・解った解った、手伝ってやる。だから俺に見えない馬鹿な土下座を直様止めろ」
『サンキュ!ってなんで俺が土下座してるって分かったのか?』
「お前が馬鹿だから」
『ひでぇ!』
「お前の安直水平思考を俺が予測と出来ないとも思ったか?では、2時前にそっちに向かう。
場所はお前の事務所だろ」
俺は立ちあがりながらそう言った、あいた片手でテーブルに置いてあるコップに
麦茶を注ぐ。
『ああ、それと依頼の内容をそっちに転送しておくぜ。頭に入れといてくれ』
そう言って、聖は通話を切った。そして、程なくしてメールが来た。俺っはメールを開くと
そこには依頼主からの以来内容が書かれていた。
『初めまして、依頼をお願いしたくメールを送らせていただきました。自分の友人が
3週間以上行方不明になってしまっているんです。警察に捜索願を出したのですが
今時の大学生は数週間の家出してもおかしくないっと取り合ってくれないんです。
ですので探偵である貴方に調べて頂きたいのです。詳しいお話は直接会ってお話したのですが
宜しいでしょうか?了承されるのであるが、このメールを返信しなおしてください
宜しくお願い致します
ってメールだったんだ』
なるほどな・・・中々興味の沸く事だな。面白そうだ、探偵か・・・俺がそんな事を
手伝うとは・・・まあいいか、気分転換のつもりでやらせてもらおう。
そして、コップを持って麦茶を啜る。・・・
「うわ・・・うっす・・・」