朝
暗黒の時間であった夜は終わりを告げて、太陽が空に上り、朝となった
そんな朝早くに川沿いの道を走る一人の青年がいた。
青いランニングスーツを着て、首にタオルをかけて腰に小さいペットボトルを引っ掛けて
自転車を追い越す速さで走っている。凄まじい身体能力である。
そしてあっという間に、5キロもある川沿いの道を3往復した。彼は腰のペットボトルを取り
中身に入っていた冷たい水をタオルにかけて、タオルで顔を拭った。
冷たい感触が顔全体に広がっていき、爽快な気分になっていく
「ふぅ・・・さて帰るか」
青年はタオルを首にかけ直し、川沿い道から車が行き交う道路の隣の歩道を走る
彼は歩道を川沿いの道を走っている時よりも、速く走っている。何故早く走る必要があるのか
それは時間にあった。
「(現在時刻は5:12分・・・姉さんが起きるのが6:00ちょうど・・・
急いで弁当の支度だな)」
彼は家に到着するとランニングスーツから私服に着替えて、エプロンをつけてキッチンに立った
そして、包丁を持って野菜を刻み始めた。鍋に水を入れて火にかける。
朝起きたらランニング、その後に弁当作り、これが彼、迅夢 有斗の日々であった。
有斗サイド
俺は朝起きて日課であるランニングを終わらせると、家に戻り朝食の準備と弁当を作っている。
おっと自己紹介がまだだったか?俺の名は迅夢 有斗。何所にでも居る19の大学生だ。
何で俺が弁当を作ってるかって?そりゃ、親がいないからさ。俺の両親は二人とも出張ばかりで
家に居る事なんて殆ど無い。だから弁当や食事の準備は、殆ど俺の役目となっている。
一応、俺にも姉と妹達は居る。が、妹は下は7歳、上は15でこの時間に起きるのは無理
起きるであろう姉は、壊滅的に料理が出来ない。塩と砂糖を間違えるならまだしも
油と洗剤を間違えてしまう程、料理が駄目な人だ。それによって、自動的に料理するのは俺になる
つまり、病気などにかかっても俺が料理しないと迅夢家の危機となり。
俺はフライパンで出来上がった卵焼きを上の妹、雷子の弁当箱に入れる。
今日は俺達大学生組みは休みだが、中学生である雷子と、本日遠足の小学生の天李には
弁当が必要。二人の為に、美味しい朝食と弁当を作ってあげるのが俺の役目の一つ。
「・・・よし、さて」
俺はエプロンを外してお弁当を何時もの様にテーブルの上に置いて、大き目の布で
弁当を包み込んだ。雷子は赤と白、天李は金色布で。包み終わるとちょうど姉起きてくる
時間だが、休みという事もあって今日は遅いようだ
「じゃ、俺はTVでも見るか」
ソファにドカっと座って、リモコンでTVの電源を入れてニュースにチャンネルを合わせる
「今日も平和に過ごせまs「有斗ぉぉおおお!!!」・・・無理か・・・」
次回から、姉との絡みに入ります