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空の鳥かご



窓際に



ひどく悲しい 場所がある



それは からっぽで 虚ろな



一つの鳥かご




かつてそこに



小鳥が一羽




逃げたのか



放してしまったのか




それとも 死んでしまったのだろうか




もういない 小鳥の住処




それでも今




かごの扉は開けてある





行方も知らぬ



美しい鳥



戻るはずもない



その歌声




目を閉じるだけで



全てが蘇るのに




鳥かごは




空のまま







風が吹き




かごの扉の



鳴く声がした



からっぽの鳥かご





飛び去った鳥が



独りでに 還ってくる



そんな奇跡は信じるくせに



自分で鳥を 捕えに行く



そういう努力はしないのか




いつまで



その鳥かごと向き合っているんだ




空に羽ばたく小鳥たち



「どれもたいしたことはない」



「あの小鳥には 敵いはしない」





手にしたこともないくせに



どうしてそんなことが言えるのか





失われたものはもう 戻らない




でも まだ 窓辺には





空の鳥かご




扉は開けたまま




帰らぬものの帰りを待ってる




窓からそよぐ



一陣の風





格子をすり抜け



舞い降りる影





日だまりの中



一枚の 青い羽根









―――


最初この「小鳥」(まぁ、「青い鳥」なんですが)は金色のカナリアでした。



不思議なもので、金色のカナリアより「青い鳥」のほうが何か遠く感じ、それで変えてみました。



案外どっちでもいい気がします。笑

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