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銀色の指輪



部屋の整理を始めてすぐ



眠っていた想い出と出会った




僕は手を止めて



それを拾い上げた





露店で買った



おもちゃの指輪



ふざけて 薬指に はめてみた




ピッタリ過ぎて



外せなくなった僕



「運命なんだ」なんて




笑ってみせた君




そんな昔の物語







例えば



想い出に重さがあるとして



あの時の二人は



どんな軽さで



片付いてしまうのかなぁ?




血が出てる膝よりも



ささくれた指が



痛い時だってある







おもむろに指にはめてみる



想い出のシルバーリング




小指の先までしか入らない



小さな指輪



「運命」なんて



そんなもんなんだけど



それでも 今



何かをこらえる僕もいる




そんな寂しい物語






例えば



運命に強さがあるとして



僕が立ち向かったのは



どれ位のやつなのかなぁ?




結局負けたのだから



知っても意味はないけれど







指輪をなくした君は



ホントに悲しそうに泣いてたね



でも君の指からすり落ちた



あのリングは




僕の背伸びと



君の優しさを




知っていた




君に囁いた



あの想いは



ホンモノだけど




だからこそ多分



二人は




あんなに傷ついたんだ







例えば


「愛してる」に点数(スコア)がつくとして



僕の想いは



どれだけの評価に



終わるのかなぁ?




この指輪だって



僕にしか分からないものなのに





例えば



想い出に重さがあるとして



あの時の二人は



どんな軽さで



片付いてしまうのかなぁ?




知ったところで



認めはしないんだろうけど




例えば



この指輪に価値があるとして




一体誰のために



それを表すつもりなのかなぁ?




僕はとっくに




それを知っていたのに




でも同時に



これはもう必要ない




物語は



幕を下ろしたんだ






でも僕は



縮んだ指輪を



大事に 大事にしまい込む




剥げかけた銀メッキも




まだ 輝いている








―――


「暗黒物質」ってものがあります。


まぁ目に見えないけれど質量が存在する、そんな物質らしいです。


それがどんな物質であるかを解明するのが、昨今の学者たちの課題となっているそうで……。


多少そういった系統の本を読んで、何の根拠もなく思ったのが「空間そのものに質量があるんじゃないか」とまぁ、下手なSFばりの説明だったわけです。


そしてそこから浮かんだ、「想い出の重さ」というフレーズを入れたいがために筋を考え、書き上げました。


「~かなぁ?」という問いかけの響きが気に入っていた頃の作品です。笑

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