WADI No.17
実は今日 君のことを聞かれたんだ
僕らの記憶の隅に
いるようないないような
そんな男に
話してるうちに彼は
君を迎えに来たという
僕は耳を疑った
愛しい君を 迎えに来るなら
彼は完璧じゃなきゃならなかった
僕を納得させるため
君を幸せにするために
せめて僕が敵わない何かを
持っているべきだった
だけど僕は あいつなんかに
大事な君は渡せない
でも腑に落ちなくて
もう少し話を聞いてみると
彼は君に10年近く会ってないって
訳が分からないことに彼は
唐突に君を迎えにきたらしい
僕は耳を疑った
愛しい君よ 君はこんな人にも
優しかったのか
何故か今日
君の受難が分かった気がした
だから多分君はここを離れていったんだ
だけど僕は どうしても
大事な君を諦められない
愛しい君よ 戻ってこないか
今ならきっと
僕が守ってあげられる
大事な君よ 帰って来ないか
君を奴には渡せない
愛しい 大事な 唯一の君よ
僕にチャンスをくれないか
愛しい君よ 帰って来ないか
大事な君よ 僕を試してくれないか
愛しい君よ
大事な君よ
どうか もう一度 もう一度だけ
僕にチャンスをくれないか
きっと きっと
守ってあげる
だから 愛しい君よ
もう一度
僕を試してくれないか
―――
腹の立つことがあり、まぁ一気に書き上げたわけです。
届くかどうかは自分の手にかかっているわけではなく、待つことしかできません。
歯がゆくもあり、情けなくもあり。
祈ることぐらいは許されるでしょうかね。