ブラックホール
内側が
暗く 暗く
闇に染まっていく度に
誰かに笑いかけてる僕がいて
笑顔の仮面の裏側に
僕は無限の闇を見つけだす
いつか
お前の作り笑いを笑ったけれど
多分
僕も今
同じ顔を作っているんだ
笑えてないこともない
楽しいことがないわけでもない
心に光が射す
そんな時もある
ただ
ホントの真ん中に
冷たい闇が浮かんでいるんだ
光と温もりを
静かに奪う
ブラックホール
誰の心も届かない
心の中の特異点
お前もこんな
深い闇を
胸に抱えて
生きているのか
僕に出来ることなど
何一つ
何一つ ないけれど
星すら飲み込む
その闇に
一体誰が勝てるのか
でも 多分 光を
微かな
微かな
光でも
注ぐことをやめたなら
僕は飲み込まれてしまうから
せめてもと
笑ってみせる
雑踏の中に一人
―――
「闇には誰も勝ち得ない」。
そんな台詞が何処かにありました。
幾万の太陽をもってしても、幾億の銀河をもってしても、宇宙の闇を消すことは出来ない。
それらはむしろ闇を濃くするだけだと。
ただ、中心に蝋燭の明かりが一つ灯れば、闇を払うことができる。
それだけのことです。