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「天気雨」
晴れた空から 雨粒が
ポツリとくるような突然さ
急にあの娘が
まぶたの裏に現れた
あの頃と 同じような
きらきらした笑顔
胸がざわめく
高鳴る鼓動
ふと思っただけなのに
「ただの」友達だったのに
急に降り出す天気雨
狐に化かされているような
そんな不思議な
始まりだった
あの娘のことが
気になって
気になって
ちょっとこぼれただけの
思い出の中の
微かな想い
そんなものに
いつの間にやら
飲み込まれてる
急な嵐は 誰のため
雲もないのに
降り続く雨粒達
「忘れる」なんて
簡単だと思っていたのに
すぐに止むって
誰かが言っていたのに
急に降り出す 天気雨
ずうっと続く 天気雨
―――
「天気雨」改訂版です。
かなり無駄を省いた感じですが、サン=テクジュペリいわく「付け足すものがなくなったからではなく、取り去るものがなくなったから完成なんだ」。
ずっと良くなったと思います。
多分。