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村上春樹のお話は短編に限る
村上春樹のお話は短編に限る
その辺が
僕の限界なのだ
彼がすばらしい 作家なのだと
誰かに聞いた
だから多分、そうなんだ
僕は彼のお話を読むと
何か
自分をひっくり返して
その背表紙を
確かめなくてはならない
そんな気がしてくる
それで僕は
歯医者に行かなきゃならないことや
昨日見た夢のこと
好きな女の子を見つけなくてはならないことなんかを
思い出したりする
だから多分、彼は偉大なんだろう
でも
そのエネルギーは
彼の長いお話だと
僕には少し強すぎて
僕はひどく疲れてしまうのだ
なぜなら
他の人はどうだか知らないが
僕自身の背表紙には
何一つ
機械のためのバーコードすら
書かれていないのだから
村上春樹のお話は短編に限る
僕は本が読みたいのだ
―――
と、言いつつ、村上春樹をそんなに読んでいるわけではないんですが。笑
とにかく「ねじまき鳥クロニクル」を読み終えた時は、まっさらな背表紙をじっと見つめているような感じになり、ホントに疲れました。
まぁ多分、理解できてないからそんなことになるんでしょうけども。