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 次にアンクルがガダフと顔を合わせた時、その場には第二王子ヴィアンと、第一王子スミスの姿があった。そしてガダフから告げられたのは戦争の予兆だった。


「大陸南東のコクマに進軍の兆しが見られた。行き先はこの国で間違いないだろう」

「コクマ? 知らない国だな。まあ、どうせ大した兵もいない小国家だろ」

「ヴィアン、口を慎め」


 スミスに指摘を受けたヴィアン。


「油断しているといつか足元をすくわれるぞ」


 ヴィアンはやれやれと首を振る。


「相変わらずスミス兄さんは心配性だな。リンがいる以上、俺たちが負けることは無いだろう?」

「その考えが危険だと言っているんだ」

「はぁ? そもそも、今時前線で剣を振るう方が時代錯誤で死に急いでいるようにしか見えないけどな」


 ヴィアンの挑発するような言葉。

 スミスは睨むような鋭い視線を返した。


「お前たち」


 ガダフの一言で辺りは静寂に包まれた。


「目的を忘れたわけではあるまいな」

「もちろんです」


 スミスが居住まいをただして、真っ先に答えた。


「それなら良い。指揮はスミスに任せる。手段は問わぬ。だが負けることだけは許さぬぞ」


 そうして三人は玉座の間を後にする。

 ヴィアンは悪態をついてから早々にその場を去っていった。

 残されたアンクルに向けてスミスが言う。


「アンクル」

「は、はい」

「私が指揮を執る以上、当然お前にも戦場に出てもらう」


 そう言って立ち去ろうとするスミスを、アンクルは呼び止めた。


「スミス兄さん!」

「何だ?」

「お、おれ……剣だってもう何年も握ってません」

「ああ」

「だ、だからまともに戦える気がしなくて……」

「甘えるな。自分で考えてどうにかしろ」


 アンクルは当然戸惑った。

 スミスはそんなアンクルを見ても、それ以上の言葉をかけることは無かった。

 そしてアンクルは何もできないまま、戦争は始まった。

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