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プロローグ
———春だけど、まだ寒い3月のこと。
私はふと、死にたくなった。
学校のクラスメイトからは「性格がアニメのキャラクターっぽい」だの「なんでマヤカちゃんは素早く物事を出来ないのですか?」なんて言われてもう、死にたくなった。
だから私はこの日学校に行くふりをして死に場所を探しに出た。
そしたら、涙が出てきて……。
そうしてナカノマヤカは死んだ。
———
目を覚ますと死んでなかった。
池の水の上でぷかぷかと浮いていた。
「あー、もう!なんであんなとこに猫が……ッ!」
え、猫?
ああ、きっと死に損ねたんだ。もう一度、地に上がって死ぬ場所を……。
ってあれ。溺れる……上手く泳げない。
死ぬ、死ぬ死ぬ……!!!
やだ、やだやだ……!!!
「くっそ———こうなにゃ、やけだ!」トォッ!
男の人が降りてくる。
「大丈夫かーーー!?黒猫ーーー!?」
なんだ、黒猫がいるんだ。
そっちか。
って、私の方に来てる!!?
「大丈夫か!?黒猫、今助けたるでな!」
私、黒猫……なの?