表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/46

9.新情報

先程と同じ門を通り、街へと帰ってきた。

シンは、コンパスをちらりと見る。


「行き先は…でも、帰らないといけない時間…」


たしかに、空の色は、青から赤へとグラデーションができ始めている。


「よし、帰ろっか。前と同じ宿でいいよね」


シンは、私たちに提案する。


「「賛成で」」


私とリゼは、同じように答える。

思わず顔を見合わせて笑ってしまった。

いつの間にか、息があってきてる気がする。





「暇だぁ…。暇すぎる」


私は、宿にある食事場…の横のフリースペースのソファーで、木の天井を見上げながらつぶやいた。

もうご飯も食べ終わったし、とにかくやることがない。


「シン、魔王城についてなにか知ってることとかないの?」


なんか面白い話でもないかとシンに話しかけてみる。

するとシンが一瞬、困った顔になる。


「まあ、あるっちゃあるけど…タウに怒られないよね…。怒られてから考えるかぁ…」


気になるし、聞いてみるか。


『いい?』


『まあ別に問題ないが…内容によってはだめなこともある』


つまり、実質良いということだろう。


「大丈夫だと思うよ!知らないけど!」


暇つぶしができそうだ。

シンは、思い出しながらゆっくりと話し出す。


「魔王…タウは、僕の兄だ。双子なんだけどね。あいつは一線を越えちゃったんだ」


一線?なんだろう。


私が疑問を抱くにも関わらず、シンは話し続ける。


「12歳のころの話だ。あいつの成長が止まったんだ。身長が…130cmくらい?ずっとそのまま。だから、僕はすぐに追い越しちゃったんだよね。まあ、そういうことで150cmくらいのアミでもそのローブが着れてるんだ」


シンの話からすると、これは…。

私は自分のローブをみて、驚愕した。


シンは、淡々と話す。


「でも、その代わりにあいつは莫大な魔力と、4つの属性を昔から持っていた。なんか鎖みたいな腕輪を昔から右腕につけてたけど、それが契約の証だったのかな」


へぇ。でも、ここで疑問が湧いた。


「普通の魔力ってどれくらいなの?」


「大体250くらい。あいつはたしか、750だったから、明らかに異常。しかもさ、属性の数も異常だった。4つ。過去最高記録だったよ。火と水、光と闇。しかもあいつは使いこなしてたからなぁ。勝てるわけねぇじゃんかよ…」


シンが荒れ気味になった。気持ちはわかるけど。


そして、話を次いだ。


「あいつもスキル持ちでさ。????ってやつ。つまり、アミと同じ」


わぁ…やっぱそうなんだ。

スキルの数が合わないなぁと思ってはいたのだ。

ここで答えがわかるとは。


「????ってさ、持ち主によって特性が変わるんだよね」

リゼが口を挟んだ。


じゃあ、私のは…?

そんな疑問が湧くが、私にわかんないのに他の人がわかるわけないよね。


タイミングを見計らい、シンが話し出す。


「続けるよ。タウのスキルがまた強くてさ。昔読んでた本に影響されたのかな。名前は忘れちゃったけど。武器を変化させられるスキルだ。形を変えることもできるし、魔法を纏わせることもできる」


ちなみに、


『冒険譚〜旅は刀と共に〜』


とかいう伝言が飛んできたが、正直題名はなんでもいいため、無視していた。


というか、なにそのスキル。強い。って感じだ。


「名を、〈変幻自在〉」


へんげん…じざい…。名は体を表すというかなんというか…。私のスキルにもあるのかな。そういうの。


「しかもさ、あいつはまたレアでさ。詠唱を使うんだよ。煽ってるつもりなのか知らないけど」


『ちげぇよ。魔力消費が全然違うからだよ』


またタウが口を挟む。

無視しようかと思ったけど、これは気になる。


『ん、どういうこと?』


すると、タウは少し嬉しそうに、


『基本的に、属性によって使う魔力は決まってる。ただ、個人差はあるかもしれないけど。俺は、

火魔法…14 水魔法…16 風魔法…12

土魔法…22 毒魔法…20 光魔法…32 闇魔法…28だったかな。無詠唱の場合、+30ずつだ。多分』


と説明してくる。

よく知ってるなぁと思いながら、あんまり私には関係ないか、と聞き流していた。


『つまり、消費を抑えるために詠唱をしてるってことだ。勘違いするな』


へぇ…まぁ、伝える気がないから、誤解されたままだけどね。


まあ、信じられるか微妙っちゃぁ微妙…。


というか、なんか…めちゃくちゃ眠い。

なにこれ。意識がとろけてくる。


「ごめん。ねる…」

最後の言葉がこれって、ちょっと嫌かも。

でも、それよりも睡魔に抗うことが難しすぎた。




ここからは、聞いていなかったけど。


「寝る…というよりさ…」


リゼが、怪しむように言う。


「だよね。僕も思う。でも、害意はなさそう」


「そっか。じゃあ、一旦放置でいいかな」


「うん。多分、自ら死ににいくようなことはないと思う」

そんな話をしていたらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ