83.酔っ払い共が
〜前回のあらすじ〜
なんかタウがよくわからないことを言い出し、気がついたら顕現していました。裏切られた、わけではなさそう……?シンと2人で何してるんだか。
「あ、リゼ」
タウが不思議なことをした後、下に降りていったらリゼがいた。当たり前か。
「お、無事帰ってきたね。何があった……」
「なぁ、タウ!俺は、お前を殺すんだ!」
シンが叫びながらう天井を破って落ちてきた。
…………え?
…正直、どういう状況?って感じ。
いつもとシンが違いすぎて驚くとともに、状況への理解が追いつかない不安がやってくる。
「えーと、リゼ、今がどういう状況かってわかります?」
「うーん、一応調べてみるかぁ…………ってシン、酔っ払ってるね…というか、酒飲んだわけ!?あいつ。だめだこりゃ。ここらへん一帯は諦めたほうがいいね」
リゼが物騒なことを言う。
「え?お酒?……そういえば取っていってたね。リゼには言うなって言ってたし…」
もしかして、そういうこと?
「あのやろっ……私のメモに書いてあるってことは相当やばい…。昔は周辺が滅んだって」
「えっ…何があったの?それ」
ちなみにシンはというと、身体強化でもう1回上に上がっていった。上で物音がすごく聞こえるから、きっとタウと争っているのだろう。ここが無事ならいいな。
「シンが15歳になったとき。成人祝いにって魔王と一緒にお酒も交えてご飯食べてたらしいんだけど…お酒飲んだらだめだったらしい。タウはめっちゃ陽気になるけど殺意が大幅に増加する。それはまあ、シンに比べたらマシ。シンは、とにかく好戦的になって、普段の気遣いがなくなって思いっきり力を振るうらしい。よってその時の戦場となった東の森は一時期枯れた、と」
うん。あの二人にお酒を飲ませるなってことですね。
「とりあえず止めないと。お酒の酔いってさ、毒の解除でいけるんだっけ?」
「いけるけど、こんなすぐに酔いが回ってるってことは、なかなか強いのを飲んだか、かなりの量を飲んでる。解除に時間かかりそうだよね…」
絶体絶命じゃん。
「とりあえず解除を試みよう。多分あの二人で戦ってくれるから、自分たちの身を守りながら解除しよう。アミはタウのほう、私はシンのほうにしよう。よし、上に行こう」
リゼが提案してくれた。
「ははっ!!シンもこっち側に来る気になったのか!?歓迎するよ!手始めに殺す!!」
タウが、シンの足元を壊したようだ。
シンが落ちてきた。
「よし、アミ。解除するよ!」
そう言われたので、毒魔法をタウに当てる。
「ん?う〜ん…毒だな。使ったのは…」
やばい。目をつけられた。
「おい、タウ。相手は俺だ。無視しろ!」
シンが助けてくれたっぽい。
うーん、自分が戦いたいだけな気がする。
まあ解除は時間がかかりそうだができそうなので、気長に待とう。
「はっ、そうだな!!全力で潰してやる!!」
「俺はお前を殺す!!行けっ」
タウは上から風魔法の衝撃波と、氷を織り交ぜたものを、シンは下から高圧力な炎を、お互いにぶつけようと生成している。
気長に待つとか言ってる場合じゃない。
契約しよう。
私の魔力を追加で持ってってもいい。
だから、タウの毒の解除を早めて!!
次の瞬間、タウがカクンっとなる。
姿勢を崩して、落ちてくる。
「しまいじゃぁぁぁ!!」
シン、どうしたの?という感じだが、それどころじゃない。
「リゼ!シンはまだ!?」
「あとちょっと…うん、よし!」
シンもカクンっとなり、膝から崩れ落ちた。
ちなみにタウは私がすぐに駆けつけたため、落ちるまでに助けられました。よかったです。
「ふたりとも…寝てるのかな?」
寝顔はかわいい。
「まあ、とりあえず放っておこう!で、いい、アミ。次からは絶対にこの二人にお酒を渡しちゃだめだよ?」
今回の件で痛いほど理解したから、大丈夫だ。そういう意味を込めて、首を縦に振った。
「魔王はなんでいるんだか……シンも何か対策するべきか……?」
リゼはぶつぶつと言った後、
「とりあえずお酒類は隠すか。私の部屋に置いておこう。隠し方は後で考えるとする」
と言った。
そもそも、なんでタウはここに……スキルだよね…と、そこまで考えたときに、タウが起きた。
「ん………なんだっけ…あぁ!1体目の討伐後か。ワインを飲んで……でもなぜ2階から3階が吹き抜けに…?」
起きたときに自分の家が破壊されていたら、そりゃあ意味わからんよね、って感じだ。
「君たちが壊したんだよ?」
とリゼは単刀直入に言った。
私も同意を示すように激しく頷く。
「そうか…アミが言うならそうなのだろう。じゃあ直すか」
え?
「創造」
タウが、両手を、腕を広げて。
天を仰ぐかのようにして、土魔法を使う。
すると、光の粒が集まってくる。
そして、壊れていた部分に光が集まり、直っていく。
「わお…」
驚きでしかないね。
「それで、シンはなぜ寝ている?」
「酔っ払ってたから」
「なるほど」
しばらくみんなでぼーっとしていたら、タウが消えていった。そして後にシンが起きた。
「ん…あれ?僕は3階にいたはず…」
辺りを見渡しながら言う。
「酒を飲みやがってこのやろう……二度と飲まないよな?な?」
「う、うん…」
リゼに気圧されて、肯定した。
飲むと言いたいけれど、言ったら終わる。そんな一発触発の雰囲気だった。
「まあ、今日はもう寝ましょう!」
そう言われて時計を見ると、もう19時だ。
まだちょっと早いけど…そんなものか。




