82.料理
〜前回のあらすじ〜
料理が苦手かもしれないリゼに料理をさせます!
シンはよくわかんない魔導具を作っているらしいです!
私はこの間に、野菜を切って、スープを作る。
同時にパンをかまどで温める。
かまどと言っても小さいものだが。
スープに野菜とコンソメを入れ終わり、あとは煮込むだけだ。
「アミ先生!できたよ!次はどうすればいい!?」
リゼもできたようだ。
なら…
「パンを皿に分けておいて。一人ひとつね。その後にスープが完成してたら言うから、それを付けて。まだ完成してなかったら椅子を上からとってきてよ」
これだけあれば、きっと大丈夫だ。
と思ったとき、シンが上から降りてきた。
「どうしたの?」
「ちょっと物を取りに来ただけだよ」
そう言って冷蔵庫を開ける。
中からボトル…お酒かな?お酒を取り出した。
「あ、リゼには内緒だよ?…というかリゼはどこ?」
「今はお皿を出してるけど…」
「えっ…料理させてるんだ。すごいね…」
前はよっぽど酷かったのだろうか。
まあなにはともあれ、シンは帰っていった。
私は唐揚げを作る。
油ものは苦手なんだよね。孤児院では作らなかったし、熱いし、温度調節が難しい。
だが、ちゃんと作れそうだ。よかった。
いいくらいの温度で揚げる。
私以外はよく食べそうだから、結構な量がある。
「アミー、椅子も持ってきたけど…」
「ありがとう!じゃあさ、スープを付けておいて、いい感じだし」
うん。私的には煮詰まり具合がいい感じだと思う。
「もう完成?ならシンを呼んでくるね」
リゼはスープをつけてから、上へ行った。
私はその間に唐揚げをつけ、机に並べた。これで完璧。
しばらくすると、2人が降りてきた。
「お、アミありがとう!」
全員が席についた。
「「「いただきます」」」
まあ、可もなく不可もなく、という味でした。
ご飯も食べ終わり、片付けも終わらせた。
「ねぇ、アミ。ちょっと来てくれない?」
シンに呼ばれたのは、そんな時だった。
「いいけど、なにするの?」
「いいから、いいから」
シンはそうやってはぐらかしながら、3階へと上っていく。私も仕方がなくついていくが、何をするつもりなのだろうか。
着いたのは、シンの部屋だ。
「入って」
促されたら、入るしかない。
「失礼します……」
部屋の中には、何らかの魔導具が置いてあった。
魔石をベースとして、大量の魔力が込められている。
おそらく、さっき作ると言っていたものだろう。
「いやぁ、まだまだ情報が足りないんだよね。だからさ、これ使って」
シンに、魔導具を握らせられる。
魔力が、流れ込んでくる。
なに、これ……?
『タウ、何か変!』
『そうだな。違和感があるだろうな』
……タウは何も、驚いていない。
何が起こっているのかを知っているかのような。
『俺はな、お前に言っていないスキルの効果をまだ1つ知っているんだ』
……何を、言っているの……?
『〈スキル????〉』
私の意識が飛ぶのと同時に、今まで空耳だと思っていたこの詠唱の意味を知った。
「それで、話とは?もう十分だろ」
俺はシンと向き合う。まだ何を話したいと言うのだろう。
「今、僕が大量に魔力を流し込んだでしょ?それを使えば、契約魔法で永遠に顕現することもできるのでは?」
それは、俺も考えなかったわけではない。
実際、できるか否か試してみた。
しかし、あり得ないほどの魔力か、縛りが必要だった。だから、諦めた。
おそらく、融通がきくのはこっちの、アミと人格が変わる方ではなく、魔王城前で使った、俺が現れる方。
融通をきかせたとしても、使う回数を2倍にする、つまり20回にするなどだろう。
「いいだろう。やってみる」
俺は、契約魔法を使う。先ほど得た、あり得ない魔力を糧として。
すると、俺の意識が飛び、次に目を開けたときはアミも、シンもいた。
「タウ……何をしたの……?」
アミは、裏切られたの?というような顔をしている。
まあ、そうなるよな。
「スキルの確認だ」
「確認?確認だったの……?私を、裏切ってない?」
「あぁ、そうだな」
そう言うと、アミは神妙な表情をして部屋から出ていった。シンのことなど、目に入っていなかっただろう。
2人きりになった部屋で、俺はシンに問う。
「それで、何がしたい」
シンはお酒を冷蔵庫から取り出した。
「いやぁ、たまには兄弟水入らずでお酒でも、と」




