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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
4.アミ編
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81.帰ろう

〜前回のあらすじ〜

私の過去の話を大方し終えた。

もしかして、ここから質問攻めに……!?

「ん?ちょっと待って。スイウさんは…なんでスキルを持ってたの?なんで渡したの?」


リゼが聞く。情報が遅くない……?まあいいや。


「つまりあの人はきっと…タウ側なんだよ」


シンは考えがあるらしい。

またいつか、聞かせてもらえるのかな。


「続ける。そうして5年が経って、成人したらすぐに追い出された。そこからは、ギルドに仕事を探しに行って、こうなった」


まあ、これが私の人生の要約だ。


でも一応、言っておいたほうがいいよね。


「ちなみにスキルは…多分タウ。実体化に、話し合い。でも、他にもいろいろあるもんね…なんだろ?」


『さあな。ただでさえスキル????はわかりにくい。俺のも難しかった』


タウのはたしか…


『最後にやっとわかった、くらいだからな。基本意味がわからん。スイウはどうだったのだろうな』


さあ…。


「これで話は終わるけど…なんか聞きたいことある?」


「タウに聞いておきたい。今日戦ったドラゴンは、何?」


シンが質問をした。私がタウと話せると、気づいたのだろう。


『あー、500年ほど前に俺が黒龍の元に行ったときに引き連れてきたやつだな。だが、あれは前のものとは違う。実在した竜を、契約して正式な配下としたものだ』


なるほど?という感じだが、話を一応聞いておこう。


『だから魔石が落ちた。それだけだ。他には?』


私はその話をまとめて伝えた。


「どんなスキルなの?属性は?」


するとシンが矢継ぎ早に質問をする。

彼は聞きたいことが多いらしい。


『俺もわかっていない…と言いたいところだったが、わかってしまっているところもあるからな。……まず根本的に俺とアミの間には魔力差がある。よって普段は俺のほうがスキルに関する権限は強い。自分の魔力を使ってから相手の魔力を使う、という感じになるっぽい。そこから考えるに、俺とアミで3:1という感じだ。属性は、ふたりとも両方使える。どこかに重複はあるかもしれないが…まあいい。そんなもんだ』


おう。なかなか理解していたらしい。

ちなみに私は全然知らなかった。

自分も知らなかった事実をまとめて伝える。


「そっか。ありがとう。じゃあ、帰ろう」


「そうだね。帰ろ!」


私は受け入れられたと思ってもいいのだろうか。

これで良かったのだろうか、これからもいていいのだろうか。

そんな会話をタウとしながら、魔法陣へと歩く。

結構部屋が広かった上に、遠くにあったため存在感が薄かった魔法陣に踏み込んだ。





次に目を開くと、そこは外だった。

後ろを振り返ると、崖がある。

入口のところだ。

「帰ってこられた…!」


「そうだね…おっと」


シンが、近くに来たスライムを倒してくれた。シンがいないと私、すぐ死にそう。


「こっから歩きかぁ。…アミ、転移って…」


あ、なるほど。


「いいね。やるよ。手、繋いで」


手を繋ぐ。転移魔法を使う。




着いたのは魔王城の目の前。ぴったりだ。

「おぉ、精度上がってるよね!」


『そうだな。よくやった』


タウが褒めてくれた。

まあ、嬉しい。


『今日も泊まるのか?もう良くないか……?』


これは、泊まってもいいということだな、たぶん。


「泊まっていいってよ」


「ありがとう。じゃあ、行こうか。あ、罠の解除しといてね」


シンがそう言うと、仕方がないという顔でタウが指を鳴らした音が聞こえた。

罠は解除されたようだ。


普通に疑問なんだけど…

「ここのヒエラルキーってどうなってるんだろ」


「うーん、その時のノリとかじゃない?あと、あまりに嫌な時はブチギレそう。お互いに」


うわぁ。想像に容易い。

リゼの考察は案外合っているのかもしれない。




シンは部屋に帰って、何やら魔導具を作るそうだ。

入り口に取り残された私に、リゼがこうやって提案してきた。


「私たちは…夜ご飯でも作る?」


嫌な予感しかしない。

いや、大丈夫かもしれない。一応魔法学院では作れてたし……?

でも、お腹も空いてきたし、作ったほうが良さそう。


「じゃあ、やろっか」


私は覚悟を決めた。



2階まで上ってきた。キッチンに到着する。


「じゃあ私が仕切るね」


先手必勝。

私からそう提案することにより、最悪の自体は回避する。


「わかった。じゃあ私は何すれば良いの?アミ先生!」


先生、と呼ばれるのは違和感が大きいが、まあ料理の主導権が握れるからいっか。


「今日は、唐揚げとパン、あと野菜スープにしようと思ってるんだ」


リゼでもできそうな仕事…。

パンを温めるのは…いや、焦がしそう。

唐揚げは…味付けならできるかな。

野菜スープは論外。絶対やばい。


「そうだね。唐揚げの下味をつけておいてよ。やり方は…そうだね。この紙に書いておくから、見て頑張って」


「わかりました!できたら報告します!」


書き終わった紙を渡した。

よし。これならきっと大丈夫。

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