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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
3.前哨戦編
75/120

75.最後の部屋と夕食

〜前回のあらすじ〜

料理をしているシンを放置して、魔王城3階の部屋を見て回ってます!

残りは奥にあったこの部屋だけだ!

最後の扉だ。

残したのは、廊下の正面にあった扉。ラスボス感が溢れている。


「なんか、正面の扉って緊張しない?」


「ふふっ、たしかに」


2人で重い扉を開けてみた。




中は、ただ広い空間だった。

床はフローリングで、壁は魔法がかけてある。おそらく、耐久性を高めるもの。ランプがたくさんあり、天井には窓があった。

でも、それだけだ。


「なんだろ、ここ。訓練場とか?」


「…ここ、知ってる」


えっ…。リゼが驚愕の事実を言った。


「いつ?なんで?」


思わず私が見つめたリゼは、目を大きく見開いていた。私は開いた口がふさがらない。


「私が小さい頃…ここで訓練してた。といっても、転移魔法陣で来てたから、知らなかった。そっかぁ。国経営だったもんねぇ、あの道場。使えるところは使ってたのかも」


国の持ち物のようになっていた、ということか。

それはどんな経緯なのだろうか。謎が多すぎる。

いや、今はまだいいや。


「そうなんだ…。でも、ここは部屋にカウントしないほうがいいよね?」


「まあ部屋数は足りてるし。大部屋を誰が使うかだけど……」


「もちろんじゃんけんでしょ!勝手に決めないでよ!」


リゼなら勝手に決めていそうで怖い。

あんな広い部屋、泊まってみたいに決まってる。


「わかった、じゃあとりあえず帰ろっか」






階段を降りて、2階に帰ってきた。


「シンー、ご飯どんな感じ…って、いい匂いしてるね。こりゃ大丈夫だわ」


リゼの言う通りだ。この階に来るとわかる。お肉のいい匂いが充満していた。


「ん、大体できてるよー。あとちょっと待ってて…あ、人手欲しいや、手伝って」


「「わかった!!」」


キッチンの方へと、2人で走っていく。


「えーと、アミは皿を3枚出しておいて…そこの棚に入ってた」


シンが指差した先は、上の方にある戸棚だった。


「はーい」


下に踏み台が置いてあったため、借りた。

175cm近くあるシンなら届くかもしれないが、私には届かない。


「リゼは、机拭いてきて」


「おっけー、任せといて」


リゼは布巾を持って、ダイニングの方へと駆けていった。


「あ、アミ、次は米をそこのやつに入れておいて」


シンが次に指差したのは、お椀のようなものだった。

それぞれの柄が違うのは、元はタウが一人暮らしだったからだろう。


「米ってこれ?これをすくって入れればいいってこと?」


おそらく炊いた後なのだろう。最初とは全然見た目が違い、驚いた。


「そういうこと。熱いから気をつけてね」


湯気がぼうぼうと出ている。

大体3等分くらい…いや、シンのやつだけ大盛りにしておく。


「机拭き終わったよー、次は?」


キッチンに帰ってきたリゼが言う。


「米を机に運んでおいて。アミ、トレイに乗せて」


近くにあったトレイに乗せた。


「はーい」


リゼが運んでいった。


「あとは…うん。サラダと肉、運んでおいて。肉は一人一皿ね」


「いや、別にわかってるよ?」


「いやぁ、たまに自分の分多めに取っておく人がいるから…リゼとか」


納得した。リゼならやりかねないかもしれない。


「よし、わかった」


ダイニングの方へ運んで行く。

ちなみにここの造りは手前から階段、リビング、ダイニング、キッチン、それから階段があって、2.5階くらいにお風呂という感じだ。3階からも来れるらしい。


ダイニングに着いたとき、リゼは既に着席していた。

四角い机に、椅子が3つある。


「椅子なんて3つもあったの?」


一人暮らしだっただろうに、意外だ。


「あったよ。何でだろうね」


「王が入り浸ってたからね〜」

シンの声だ。ちょうど来たようだ。


「王が入り浸って大丈夫なの?」


「昔は今よりもうちょっとホワイトだったからね。王とは仲が良かったからね。まあこれにはちょっとした事情があるけど…また今度でいっか」


雰囲気を切り替え、シンが言った。


「それより、ご飯食べよ!」




「「「いただきます」」」


今日の献立は、サラダとお肉とお米。

野菜から食べると健康にいいと聞いたことがある。だからサラダから食べてみる。


「ん、野菜だけじゃない!なにこれ?味付け?」


「あぁ、それね。ドレッシングだよ」


私は知らなかったが、他2人は知っているようだ。

リゼがなんで知っているのかと聞いたら、


「シンがよく使ってた」


と返ってきた。


「美味しいからね。決して、僕が生で野菜が食べれないとかでもなくて…」


うーん、怪しい。


「まあ美味しいからいっか」


次は、お肉を食べてみようと思う。

サラダは少し残してある。後で食べたい。


「あ、味付けがいい!」


口の中に入った瞬間、タレの芳醇な甘みと少々の辛みが混ざり合っていた。しかも、その奥にはお肉の美味しさが詰まっている。


「だよね〜。肉がいいのもあるけど、美味しい」


見ると、リゼもお肉を味わっていた。


「米と一緒に食べると美味しいよ」


そうシンに言われたが、まずはお米だけで食べてみる。わからないものでこのお肉が台無しにされたら悲しすぎるからだ。


「甘い…もちもち…不思議な感じ。でも美味しい」


お肉と合う、という言葉の意味がよくわかった。これはきっと美味しくなる。

というわけで早速試してみる。


「ん〜!これは美味しい!レシピ教えてよ」


「また機会があればね。まずは魔石集めに行かないと」


シンが真面目な顔で言う。そうだった。雰囲気にのまれて楽しく思っていたが、目的は違う。


「わかった」


次はみんな黙々とご飯を食べる。

ただ、その沈黙は決して悪いものではなかったはずだ。

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