74.魔王城探索
〜前回のあらすじ〜
とりあえず依頼は進んで、新たなコンパスを3つゲット!
今日は魔王城に泊まります!
「とりあえず寝る準備しよっか。ご飯何が良い?」
シンがキッチンへ向かう。
私もシンについて行ってみることにした。
「何があるの?」
と言いながら私は勝手に冷蔵庫のドアを開ける。
横からシンは冷蔵庫の中を覗き込んだ。
「うーん、微妙だね…まあ肉は使えるかな…野菜も…これくらいはいけるかな。うーん、米かぁ。まあ久しぶりだしいっか」
「シン、米ってなに?」
私は今まで食べたことない。聞いたことはある気がするけれど、何なのだろうか。
「私も知らないー」
スキル情報解析を持った人ですら知らないということになる。
というわけで私も冷蔵庫を覗き、知らないものを取り出した。
「シン、これ?」
袋の中に、白いつぶつぶがたくさん入っている。
「そうだよ。米は、アノンが持ち込んだ…というか、魔力の性質で知ってるものを再現したもの。だから…。まあいいや。ちなみに米は、もちもちというか…食べるとわかる感じだよ」
なるほど。だからタウの城にあって、シンも知ってるわけね。
「そんな面白そうなのあったなら教えてよ…」
リゼがすねている。放置しよう。
それよりも聞いてみたいことがある。
「でも、食材こそ誰も管理してないでしょ?なんで今、使える状態なの?」
シンのほうを見ると、米を洗っていた。
……そういえばどうやって料理するんだ、これ。
不安とは裏腹に、シンは質問ににこやかに答えてくれた。
「タウは基本気分屋だからさ、行きたいと思ったときにいろんなところにパッと行っちゃうんだよね。だから僕が、冷蔵庫に永久保存できる機能をつけた」
なるほど。心配した弟にタウの健康は守られていたと。
「安全ならいいや。ご飯は全部、お願いしてもいい?」
作り方がわからない。米というわからないものを生かした料理は無理だ。
「適当に作っておくよ。アミとリゼは3階の部屋を見に行ってきてよ。多分安全だろうし」
「別に私たちそんなに弱くないし、大丈夫だよ〜」
そう言ってリゼは階段へと向かう。不安なため、私はすぐにそれについていく。
リゼは結構楽観視するタイプだ。
私はというと、少し低めに見積もっておくタイプだ。…合わせたらプラマイゼロということで。
「じゃあ行ってきます」
さっきの階段のところまで戻る。
1階、2階、3階は螺旋階段が吹き抜けで造られている。つまり廊下移動が必要ないわけだ。
「なんで地下はこの造りにしなかったのかな…」
「多分だけど、セキュリティじゃない?一応大切そうなものだし。あの転送装置」
たしかに。私は首を縦にふる。
「まあ楽であることは私たちにとってありがたいよね。というかあいつが面倒でしょ。そんないつもいつも廊下走ってたら」
たしかにそうだ。
「階段はこれで終わりっと…」
螺旋階段の最後の段にさしかかる。3階に到着だ。
「これは…」
真紅の絨毯がひかれた廊下。広さは似たようなものだ。つまり広い。そしてここにも、ところどころにある蝋燭が入ったガラス細工。そして、5つの扉があった。
それらすべてが、高級そうな雰囲気を醸し出している。私たちは圧倒されるしかない。
いや、私たちは何をしに来たのか、そう。部屋を探しに来たのだ。
「どこかに部屋がありそうだけど…」
「とりあえず全部開けてみよう!」
勇気あるリゼは、まず一番手前の左側の扉を開ける。
「失礼しまーす」
扉を開けるとそこは、普通の部屋だった。
普通と言っても、この城の中では、だ。
明らかに豪華。
白の壁に廊下と同じ真紅の絨毯。それに小さなシャンデリアがついている。
それに、一人用のベッドに本棚、机に椅子、小さめの冷蔵庫なんかもある。
「わぁ…すごい」
「ほんと、そうだね。じゃあ次行こっか」
今度は私が一番手前の右側のドアを開ける。
「失礼します…」
第一印象。めっちゃ広い。
ベッドが大きい。本棚も大きいし、これにはちゃんと中身が入っている。ただし、鍵がかかっていた。
「なんだろ?魔導書かな…?」
高そうだし、古語で書かれている。
いや、魔導書らしきものもあるのだが、それ以外もある。日記とか、小説とか、そういう雰囲気の本人もある。
「うーん、でも開かないね。鍵かかってるし」
ちなみに、冷蔵庫も机もあった。あと違うところと言えば、棚があったところだ。クローゼットっぽい。
「まあ、今度たしかめよう!次行こう!」
「ちょっと待って。こっちにドアある!」
部屋の中に、出口以外の扉があることを見つけた。
「ほんとだ。でも向き的に外だよね、これ」
「ま、とりあえず行ってみよう」
ドアを開ける。
風が私たちの間を吹き抜ける。
「これは…ベランダだね」
ちょっとしたバルコニーがあった。
「すごいね…ここ」
ただ、景色はそんなに良くない。
立入禁止区域が見えるだけだ。
「うーん、まあいいや。次行こ!」
部屋の中に戻った途端、扉を見つけた。2つ。
「あれってさ、もしかして2番目の右側の扉じゃない?」
リゼの予測は、たしかに納得のいくものだ。
「たしかに!ってことはここは2部屋分あるのかぁ…」
道理で広いわけだ。
「でも左側はこんな広くなかったよね?」
私たちは廊下に出た。
「そうだね。ってことは、2番目の左側の扉の部屋って1番目と一緒なのかな?」
そう言いながら手前から2番目の左側の扉を開ける。
「うん。一緒だね。これ」
再放送じゃないか、とタウならツッコむであろう風景が見られた。
「うん。次行こう」




