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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
3.前哨戦編
72/120

72.殺気

〜前回のあらすじ〜

ついに魔王城に突入!コンパスの指すものを探そう!

ん?なんか、リゼがフラグを立てたような気が……。

「よし、これで安全だね」


リゼの立てたフラグは回収される。


リゼが踏み出した次の瞬間、シンから、異常な雰囲気が醸し出される。



「リゼ、止まれ」



命の危機を感じている。攻撃しなければ、殺される。


『アミ、大丈夫だ。とりあえず動くな』


タウが、話しかけてくる。


『でも、なんか攻撃しないとっていう気に…』


『気になるだけだ。問題ない。というか俺が同じことをすれば解決するが…回りを巻き込むのは本意じゃないだろ?』


『ほんとに大丈夫なんだね?』


『ああ』


じゃあ、きっと何かの作戦だ。


でも、リゼにはそんな余裕はないらしい。

リゼが、尖った氷を矢のようにをシンへと飛ばす。

シンはそれをひょいっと避けた。


「大丈夫。罠があるから止まらせただけ」


そう言われてリゼが進もうとしていたところを見ると、罠があった。

というか、わかりやすい矢の発射装置があった。


「隠蔽されてたけど何らかの条件を満たしたのかな?」


「多分そうだと思う…ありがとう、シン。でも、どうやったの?…って、まさか」


リゼは何かに気がついたようだ。

ちなみに私は何もわかっていない。


「そう。殺気だ。できるか不安だったけど…タウのことを思えばできるね。これ」


殺気?殺そうとする気、だよね?本当に何があったのだろうか、タウとシンには。


でも、シンの殺気とやらで思考が晴れた気がする…。ん、思考が晴れる?


「ここらへん、何か毒みたいな?なんというか…思考が鈍るような…」


「え…そんなこと…リゼ、調べてみて」


「ん、わかった……っ!!毒だ!今解毒薬作るから待ってて!」


私は、毒だってことがわかるし、解毒もできるけど、何の毒かは簡単にわからない。

ここは、リゼに任せるほうが確実だ。


数十秒後、私たちのまわりに魔法陣が展開される。


「よし、解毒完了…アミ、お手柄。ってあれ?廊下って案外短い?」


言われてみてみれば、廊下は先程よりも長くない。


「幻覚作用…?でも、距離は実際あったように感じたから移動速度低下とかもあるかな…」


考え事が口に出ていたようだ。シンから返事があった。


「でもアミ、それなら僕がわかるはず…あっ、だから思考妨害か」


納得がいったようだ。

地下3階の廊下は、先ほどよりも短く見える。

特徴的なのは、途中に扉があることだ。


「すぐそこに扉があるし、走っていこっか」


「うん。あの扉であってる。僕が前見たやつだ。入ってはいないけど」


「なんのためにこんなところまで来たの?」


至って普通の疑問を私は口にした。


「タウが紹介してくれた」


やっぱり君たち、仲良かったんだね。

扉の前に立つ。


「よし、行こう」




扉を開くと、一面が白な…いや、いつもタウと会ってるところと比べると、タイル風になってるから一面、とは言いづらいけれど。まあ、中くらいの大きさの部屋があり、中心に石でできた書見台のようなものが置いてあった。ただ、書見台ではない。なにかくぼみのようなものがある。


『アミ、召喚しろ』


『さっき言ってたやつね。わかった』


「召喚」


「え、アミなんか言った…?」


ぼそっと呟いたつもりだったのに。リゼが鋭い。


「いや、なにも…」


誤魔化そう。バレてるとは思わなかった。


タウは空気を読んでくれているのだろうか。少し出てくるのが遅めだ。


「ここに何かをはめるのかな?…タウ、さっさと出てきてくれよ…」


シンはもう頼ることしか考えていないようだ。

すると直後、書見台の奥に光が集まりだす。


「よし、さっさと用件を話して帰るからな。今回も4分しかない」


「説明係にしては心配な時間だな…」


「別にいいじゃないか。お前らがちゃんと聞けば…」


「いやだね、私は。お前をここで殺す!」


リゼが盤面を狂わせてきた。


そう宣言してから、タウに向かって剣を振る。

タウに当たるかと思ったとき。

世界は時を止める、いや、止めた気がした。


「ほお…ならばこうするか」


タウがそう言った次の瞬間、というか話の途中ぐらいから、猛烈な寒気がした。

動けない、とか言うレベルじゃない。

俺にはお前らなんか簡単に殺せる、そう言いたいかのような圧倒的な強者の雰囲気を感じる。


これはおそらく、さっきの…


「おい、リゼ。そこに座ってろ」


タウが指さした先へと、リゼは歩き、座る。

意識がないような雰囲気を感じる。

生物としてのなにかが、従えと言っているだけ。


いろいろと聞きたい…けど話すことはできない。

ほんと、少しでも動いたら死にそう。

それくらいの恐怖を感じるのだ。

それが、タウの殺気だ。


もしかしたら、聞けるかな。これで。


『タウ、何でわざわざ』


いけた!!

これで、意思疎通が楽になった。


『お、使えるようになったか。あぁ…まあ発動回数に制限があるからな』


『へぇ。で、殺気ってなんなの?本能に直接来る感じの…』


『解釈は大体合っている。殺気は詳しく言うと、そいつの魔力と、想いの塊だ。魔力が多いほど強くなるし、想いが強いほど強くなる。自分の殺気で相殺することもできる。戦うときに使うときもあるな』


『そうなんだ。今度教えてよ』


『教える際にお前が苦しくなければな』


『うわっ…物騒』

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