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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
3.前哨戦編
63/120

63.ドラゴン討伐4

「ここのも…なかなか強そうだ」


転移し、森に着いた途端にシンがそう言う。


「次は私だよね…やばそうだったら助けてね」


不安になってきた。

えー、とりあえず行くことにする。


見えてきたのは、水色のドラゴン。強そうな気もする。感覚だけど。


「この色…水属性だよね。水に強いのって特にないし…他で頑張ろう」


よし、対戦お願いします。

まずは、ドラゴンが溜め技を始める。


「えーと、多分水だよね…防ぐ」


私は、水を凍らせて止めようと、氷魔法で冷気を辺りに蒔こうとした。


『止まれ!それは氷だ。火で対処しろ!』


え?タウ?

反射のように私は火属性の結界を張る。普段のものよりは弱いが、多少の緩衝材にはなる程度のものを。

意識が追いついたころ、眼前にあったのは氷だった。

タウの言う通りだったんだ。


「…マジか…。氷なのか、あの魔力反応で」


シンもわかっていなかったようだ。


「いっつ……」


危なかった。

氷を凍らせることはできない。最初の防御じゃ耐えられなかった。


『だから言ったのに…。回復できるか?……厳しそうだな。俺のほうから回復はできるはずだ。攻撃に集中しろ』


今回は…タウを信じてみようかな。

相手はブラフを張ってくるようなタイプ。

私だけでは、勝てる気がしなかった。


『回復』


体が軽くなった。これなら頑張れる。


「まずは炎を、ごり押しで通す」


無理やり、高温で鱗を溶かす。狙うは5000℃だ。


『かなり魔力を注いでいい。加減すると溶けない』


はい。


『そして、クナイに炎魔法を纏わせて……あぁ、手は水属性の結界で防御。そして、それを投げる。身体強化して行け』


はいはい。

言われた通りにやってみる。


高火力で溶かした、鱗。

身体強化し、炎を纏わせた3本のクナイ。


それらを同時に行い、私はドラゴンの間近へと行く。

そして、クナイを3本同時に投げた。首を的にし、それは壊れた。


「できた…!」

勝てた。よかった。


『待て。さっきので学んだほうがいい。リゼは反撃を受けていた。油断するな』


たしかに。

と思って注意していた直後、私の真上に氷柱ができた。明らかに今までのものよりも大きい。決死の一撃だ。


「わお」


全力で逃げてかわした。危なかった。マジで。


「アミ…よかった」


シンの安堵がこぼれる。

まあ、勝利ということで終わりますか。


「次のところ行こう!」




次のドラゴンは、市街地にいる。というか、森の中に居たのに、移動してきたらしい。


「僕の番だね。誰一人として死なせない」


そういった直後、シンが目の前から消えていた。ドラゴンの前にいた。


「君、わかるかい?僕との実力差が。わかったなら逃げるといい。それとも…」


そんなふうに説得しても、襲ってくるばかりだ。初手から相手は風魔法を使ってくる。


「衝撃波か…交渉の余地なしと。じゃあ殺すしかないね」


その5秒後、決着はついていた。


えっと…何が起こったのかわかんなかったんですけど。

光ったなぁと思ったら終わっていた。

……意味わからん。


「リゼ、あれどうなったの?」


「多分だけどね…いつもシンは火使ってるじゃん。でも今回は市街地。周りに被害が出やすいから剣にしたの。で、今のは技だね。身体強化して8の字型に切ってた。身体強化のレベルが比べ物にならないね。さすがだ」


へぇ…結局意味わかんない。いや、理論はわかったけれど、やっていることのレベルが意味わからない。


まあ、倒せたならばいいでしょう。

シンが帰ってきた。


「さぁ、帰りますか。リゼは報告?」


「そうだね。ただ、魔石が落ちてないから報酬は少ないし、不思議な案件として報告しないといけない……」


魔石……たしかに。確認すらしていなかったが、普通ならば魔石がでてくるはずなのだ。


「……とりあえず、帰る?」


シンは考えることを放棄したようだ。ならば私もそうしよう。


「賛成。くたくた〜」


本日最後の、転移魔法を展開する。




宿へ向かっている帰り道。

ちなみに、転移先は報告のためにギルド前だった。


ついていくかと聞かれたが、私は疲れすぎて動きたくなかった。


「私もう帰ってもいいかな?眠すぎて耐えられない…」


空を見上げていたシンが、気がついたようにこちらを見る。


「そっか…じゃあ、リゼはひとりで報告お願い。流石にアミをひとりにはできない」


「たしかに。こんなかわいい子をひとりで夜の街を歩かせるわけにはいかない」


え…、別に大丈夫だと思うけど…。


「というわけで、アミ、一緒に帰ろっか」


「多数決の原理だからね〜」


負けたぁ。仕方がない、多数決ならば。



というわけで、仕方がなくシンとふたり、宿まで帰ってきたわけだ。


「じゃあ、先にご飯食べて寝ていいよ」


シンは気遣ってそう言ってくれたが、それどころではない。


「いや、今日ご飯食べるも元気ない…寝る…」


かなり眠い。めちゃくちゃ眠い。


「そっか。じゃあ、おやすみ」


頭を撫でてくれた。意識が一瞬、覚醒した。


「いや、子供扱いしないで」


「ははっ、たまにはいいでしょっ」


私は自分の部屋に戻って寝た。

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