49.戦闘の授業7
その夜、私は頑張ってクナイを試行錯誤しながら作った。思ったより模様が細かい。
『魔王様、手伝っていただけると……』
『断る。俺は寝る』
もういやだ……この主人いやだ……。
『かしこまりました』
仕方がないので、1時間ほどかけてクナイをパッと作れるところまで練習した。
そして次の日を迎えた。
「よし、練習の成果を見せてもらおうか」
校庭で出会って甘党先生の一言目がそれだった。どれだけの確信を持って言っているのだろうか、普通、練習してこないと思うけど……?
まあ私は練習しておいたため、パッとクナイを作り出す。そして甘党先生に投げた。昨日のお返しだ。
「うん、いいんじゃない?いくつくらいなら作れそう?」
魔力量的に、という話だろう。
おそらく鍛冶魔法はそこまで魔力を使っていない。シンプルなものしか作れないというデメリットを抱えているから。
「軽く80はいけますね」
80という数字は適当だ。絶対にそれくらいは作れるだろうから、適当でもいいだろう。
「なら、飛び道具にもできそうだ。まずは投げる練習からしよう。的のところに行こう」
私は的の前に立ち、クナイを投げるための基礎を学ぶ。
「こういう持ち方で、で、肩をひいて勢いをつけてグイッと投げる感じで……」
甘党先生の言う通りにしてみる。
そして、的に向かって投げる。
クナイは思ったよりもまっすぐ飛んでいく。
そして、的に当たった。まあ、端っこのギリギリだけど。
「よかったぁ……」
「うん、遠距離で使える武器があってよかった。じゃあ次は火魔法を付与して投げてみよう」
私はササッと魔法を付与し、クナイを投げる。今度は的の中央付近にあたり、そこら辺は炎に包まれた。
「付与も完ぺきだね。じゃあ小刀のように使って、戦ってみようか」
戦い方を教えてもらった後、ちょっとした模擬戦をし、合格をもらった。
小刀と戦い方が似てるから、ということで少しの時間で終わったのだ。
「明日は魔法戦闘だから。時間がかかるかもしれないから、先に少し説明しておくね。魔法戦闘では、すべての属性の魔法を使った後に、僕が守る硝子球を壊す、というのが合格条件だ。広く場所を使いたいから、別館に行くよ。職員室から魔法陣で転移しておいて。1階の事務室前で集合しよう。何か質問はある?」
「すべての属性の魔法、というと、火属性だったら火魔法を使えばいい、ということですか?鍛冶魔法を使う必要はない、と?」
「そうそう。あと言い忘れてたけど、武器の使用は禁止ね。代わりに、僕は攻撃に回らない。他に質問は?」
「ないです。ではまた明日」
「うん、またね」
その後は何もなく、平和な生活だった。
今日は別館集合なので、いつもよりも早く動くことにした。
私は職員室に向かう。ちょっと……いや、だいぶ行きたくない。職員室とか怖いじゃん。先生っていう自分より上の立場の人がたくさんいるんだよ?なんでクウはあんなにパッと……とか思っている間に職員室についていた。
「すみません……別館まで行く魔法陣を……」
「あー、ここからね。いってらっしゃい」
ちなみに、出てきた先生はシオカだった。まだ旅に出てなかったんだ。
私は別館へと転移した。
ついたところは、事務室前だった。
「おー、アミ。早かったね」
甘党先生がいた。剣をいじりながら。
……本当に今日は攻撃してこないんだよね?
「じゃあ行こうか。予約は終わってる」
甘党先生に連れられて向かったのは、1階の1番奥の、とても広いグラウンド。
「さぁ、僕が持っているこの球。これは魔導具でね、設定された属性の魔法が使われたことを感知すると硝子球に変化するんだ。感知する前は、黒曜石ってやつでできててね……すっごく硬いの」
へぇ……タウなら壊せそうだけど。
「じゃあ、始めよう。いつでもいいよ」
ならば、遠慮なく始めていこう。




