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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
2.魔法学院編
31/111

31.各属性の授業2

ノエルについて行った先は、みんなが練習していたところの少し奥。


ラインが引いてあって、その先にろうそくがポツンと一本立っている。


「あそこのろうそくに、無詠唱で火をつけて。このラインを越えちゃだめだからね」


無詠唱で、と指示があったのは、詠唱をすると魔力が減る他に、魔力を引き出す手伝いもしてくれるというところが関わってくるのだろう。どっちみち私は無詠唱派なんだけどね。


「じゃあ、いきます」


私はラインに立ち、ろうそくを見る。


大体この角度で、この魔力の量。そしてこのスピードならちょうどいいところに行くはずだ。風も少ないし、火力も計算通りになるはず。


私は火魔法を発動する。


火の塊が私の手のひらから、ろうそくに向かって飛んでいく。

そしてろうそくの先の糸の部分に触れたところで止まり、火がついた。


数秒経っても、消える気配はない。


「おぉ!いいね、合格!」


「じゃあ、鍛冶魔法もいいですか?」


「うん、わかった。こっちね」


今度は、木の机が並んでいるところだ。

ノエルはワゴンから金属と木を取ってきてz私の座った机に置いた。


「この金属と、この木の棒で、短剣を作って。こっちは魔法陣を使って魔法を発動してね」


私は魔法陣を思い浮かべる。

そして火属性の管を通して、魔力を外に放出する。

まずは二重丸を描く。そしてその外と内に点を描く。鍛冶魔法の文字としたいことを具体的に書き込み、完成だ。


魔法陣に魔力を流し込む。

魔法が発動し、薄く赤色がかった光に金属と木が包まれる。


光が収まると、そこには短剣ができていた。

想像していた通りだ。


「すごい!上手だねぇ…。合格だよ!この時期でまさか1日で合格してくとは……最初の方だと結構いるけど」


よし、合格の言葉も貰えたし、今日は帰ろう。というか、部活にそろそろ行ってみたい。古語も覚えたいし。


私が帰ろうと背を向けると、先生は私に短剣を差し出した。


「はい、これはお土産。よく頑張ったね」


短剣がもらえるんだ、この授業。


「ありがとうございます」


今度こそ私は校庭を去った。





その後私は部活に寄った。

部屋にはご自由にお入りくださいと書いてあったため、勝手に入って古語を勉強しながら魔王の軌跡を読んでいた。結構な時間読んでいたのだが、まだ3ページ。古語って難しい。

『ローマ字読み、というものらしいのですが、書かれている言語は日本語というものですからね。言語が違えばそれは難しいでしょう』


とのことだ。ほんと難しかった。

明日も頑張ろう。






カレンダーは1日分めくられ、今日は水属性の授業を受ける日だ。

水属性の教室はたしか2階だ。

私は2階に向かう。

しかし違和感に気がつく。

教室に誰もいない。

え、入っていいの?これ。気まずい。


とりあえず戸惑いながらも教室に足を踏み入れる。ホワイトボードには昨日と同じように、水属性についての説明が書いてあった。

水属性の魔法は主に水魔法と氷魔法のふたつ。書かれているのはそれらの用途と魔法陣だ。テンプレでもあるのだろうか、昨日と形状が全く同じだ。

魔法陣は字の部分が変化するのも、水属性でも変わらないらしい。

水魔法は、名の通り水を出す魔法だ。魔力を水に変換する、みたいな説明が書いてある。

そして、氷魔法は魔力を水に変換し、それを凍らせる魔法だ。


水魔法のテストは、水を出して桶をいっぱいにすること。氷魔法のほうは、氷で四角を作り、それが水に変わらないように5分魔法をかけ続けること。……これ、季節によって有利さがあるよね、明らかに。まあ、対策もあるのだろう。じゃないと冬場にやってる私、有利すぎる。


「おっ、今日は生徒さんがいる!はじめましてーアオイです!授業できるのひさびさー!嬉しい…!」


教室に、20代くらいの女性の先生らしき人が入ってきた。水色の髪に茶色の瞳がとてもかわいらしい。

というか、合ってたんだ。この教室で合ってたんだ。よかった。

やっぱり生徒がいなさすぎたのか。

通りでまだ私しかいないわけだ。


「ホワイトボードの説明は読んだ?」


アオイに問いかけられる。

私は、後ろの方の席に座ったことを後悔した。遠すぎて話しにくい。


「読みました。テストってどこでやるんですか?」


「校庭で!この転移魔法陣を使って!」


アオイは床に転移魔法陣が描かれた紙を敷く。そして、早々と飛び込んでいった。

私もついていくか。

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