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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
2.魔法学院編
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29.座学の完遂

私は魔法陣について、できるだけのことを思い出した。

あとはなにがあったっけ…そうだ、魔力の……。


「はい、テスト始めるよー」


あぅ、始まってしまった。

まあ、大筋は思い出せた。大丈夫だと信じてやるしかない。タウはいないんだ。私は、ひとりで頑張らないといけない…。


テスト用紙が私に回ってきた。

薄っすらと問題が見えている。

……解答用紙の形からして、記述と、魔法陣を実際に描けそうな枠…。


「全員渡ったね?時間は15分。よし、始め」


私は紙を表に向ける。

まずは名前と魔力の登録、問題を確認しながら……。

お、当たりだ。記述と魔法陣。


よし、記述は20問か、魔法陣は3問。

記述に10分、魔法陣に3分、あまりで見直しだ。


1問目は………



私は無我夢中で記述問題を解いた。

1問だけわからなかったが、魔法陣は直径何cmで描くと魔力の伝達効率が最も良いかなんて言ってもないし私も知らない。

タウがいないと無理だ。


ここまでで、8分。余裕がある。

魔法陣を描いていこう。

まずは火属性か。よし……




終わった!一応全部に解答が終わった。

ちなみにさっきの記述は感で30cmとした。


あとは見直しをしたら大丈夫だ。


あ、魔法陣間違えてる。

ここ、付与魔法だから内側が変わるんだった。気をつけないと。


合格基準がわからないから、少し不安だ。

いや、落ちてから考えよう。


「はい、やめ。問題を回収して、いつも通りにね」


私は前の人に問題用紙を渡し、帰る準備を始める。この後は、明日の予習…いや、タウがいないから無理か。となると部活にでも行ってみようかな、やってるといいけど。


「今日はスキル使ってなかったね、えらいえらい」

私が教室から出ようとしたところで、アレイスが囁いてきた。

あなたのせいですが…?としか言えない。


「今のうちに、言っておくね。君のスキルは有害だ、僕の予想が正しければ、ね。テストを受ける合間に、必殺技も教える」


そう言ってから、アレイスは私の髪飾りに触れる。


「あーあ、魔法陣壊れちゃったなぁ…後にやるんだけど、魔導具って、魔法陣を刻み込んで、魔力流すだけで発動できるようにしたものなんだよね。魔法陣を使うだけでも複雑な魔法が使えるんだけど、それより複雑な魔法を使うときもいるし。てな感じで壊しちゃった。ごめんねー」


『あっ……復活した』


タウの、声だ。

アレイスは、何をしていたのだろう。


『というか、タウはスキルの一部だったんだ……どうなってるんだろう、ほんとに』


意味がわからない。でも、それなりに使うしかない。やってやる。


「大丈夫です。明日から、お願いします」


「うん、授業が終わったらたぶんいるから、その頃に来てもらえば問題ないからね」


私は教室をあとにした。






『タウ、どうなってたの?』


『……よくわからない、状態でしたね。それはいいのです。明日の予習を始めますよ』


私は自室……と言ってもリビングだが。リビングで明日の予習を始める。


『まずは魔力と魔物について……』


うん、とりあえず東のほうにはスライム、南のほうにはアンデット、西のほうには魚の魔物が出る、と。

そしてそれらは、魔力が多く集まりすぎると生まれるものであるらしい。


『…お嬢様。聞いておりましたか?私はもっと詳しく……』


あ、やらかしたらしい。

もういいや、頑張って聞いていこう。


『あともう一つは計算ですので、なんとかなります…よね?』


『たぶん』


こんな感じで、予習をし、テストを受けるということを2日続けた。すべて合格だ。よかったぁ。

それで残ったふたつの授業は、魔導具を作るものとそれについてのレポートを書くものだった。

だから、本番1回でできるわけがない。

というわけで、予習の時間を使い、練習した。これならひとりでもできるだろう、というところまで。


ちなみに作ったのは、キッチンいらずのコンロだ。コンロに、キッチンにある水道や冷蔵庫などのものの機能を付け足したのだ。正直使い勝手は悪いが、テストだしいいでしょ。

実際、アレイスもいいんじゃない、と言っていた。



なによりも、これで座学がすべて終了だ。

嬉しすぎる。

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