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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
5.リゼ編
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106.リアル事後処理

〜前回のあらすじ〜

なんとかダンジョンにいるドラゴンを倒しましたが、攻撃に全力を費やしたリゼは片腕を失い魔力は回復しないというなんとも死にかけな状況になりました。それで走馬灯を見ていた、それが終わりました。以上。

私は重い瞼を開けた。

そこは、白い白い空間。

体を上げて見渡すと、アミと、シンがいた。

あの時よりも大きくなったシンが。

そして、あの憎き魔王が、いた。


「よかった…!リゼが、生きてる」


シンが言った。そうか、私は重症を負って…。


「簡単な回復だったな。これだけでいいのか。楽だ」


タウが、回復魔法を使ったようだ。

私の腕は戻らない、契約だから当たり前か。

しかも、腕には謎の、鎖のような模様が彫られている。これが、契約による鎖……?


「そういう、契約だ」


タウは、そう言った。何が?何の契約?え、私が“理”とした契約ではないはず。

と思ったら、目の前が血の色になった。


え…なに?


正しくは、右目だったらしい。

でも、そんなことは知らない。


「はっ……やはり、これが一番楽しい」


「タウ!いくらなんでも…」


「契約だ。アミは許諾したぞ?」


「っ……!」


私が死ぬよりはいい。

でも、それでも人を傷つけておいて…。

そんな考えで揺れ動いているのだろうか。


「リゼ、だめだったら言って。私が代わりに受ける。それも、契約内容だから」


そんなさ…。


「大…丈夫。私は…情報でなんとかもなるから…」


やっぱ、声がかすれていた。

これじゃあ、重症者みたいじゃん。


「よかった…リゼが、生きてる」


シンが言った。


「ねえ、なんで助けられないなんて…」


シンが言う。


「別に死んでいなかったからな。死んでいないのに助けるもなにもないだろ?」


…考えが違いすぎる。戦い好きからしたらそうなのかもしれないが、助ける、ということはそんなに大きなことではないはずだ。


「俺は……俺が、俺であるために…」


タウは、何かをつぶやいていた。


「完全な回復まではもう少しかかるだろう。何か話でもしたらどうだ?」


「じゃあ僕が…」


いや、だめだ。私も話したい。


「だめ。私が話すの。よーし、話すぞー」


まだ本調子ではないけれど、話したいことはたくさんある。今さっき見ていた、走馬灯を。


「俺は戻る。アミ」


「はいはい」


タウは消えた。

今いるのは、私とアミ、シンだけだ。

これで、話しやすい。



「私は、イッシュに拾われたんだ」


そう。本当にここから始まったんだ。


「私の親…師匠の一面のほうが強いから、師匠だけど。イッシュは、スキル情報解析を持っていたんだ。初代だよ。そんで、それを継ぐ人を探していたらしい。それで、道場を営んでいた。私を拾ったのも、その一環だったらしい」


言いたいことはたくさんある。

でも、何から話せばいいかわかんない。

だから、たくさん話す。

私は、さっき見た夢の出来事、過去のことをかいつまんで話した。


「それで、結局5年後にイッシュは現れて、今に至る。終わり」


「……うん。そんな感じだ」


長年一緒にいたシンは、知っている。


「……ねぇ、そんなのって……苦しかったよね。リゼ……あの…私……」


アミは、ひどく暗い顔をしている。


「大丈夫だって。ね、アミ…」


すると、アミは私にてくてく近づいてくる。


そして、飛びついてきた。


「そんな過去があったなんてさ、私知らなかった。なのにさ、こんな…私といていいの?つらくない?」


アミにぎゅーっとされながら、問われる。

きっとこの子が指しているのは、自分の中には君の師匠の敵がいるけど、大丈夫か、ということだ。

そんなのさ、決まってる。


「いいんだよ。アミは悪くない。悪いのはタウだけだから。あいつは嫌いだけど、アミは好きなんだよ」


これが、私なりの答えだ。


「そっか」


アミの笑顔は、光り輝いていた。





「さて、リゼも回復したっぽいし、地上に行こっか」


シンが、タイミングを見計らって話してくる。


「そうだね。リゼ、行けそう?」


「行ける。アミ、ありがとうね」


アミは、はにかむように笑った。


「じゃあ、魔法陣に」


奥にある魔法陣まで歩く。

ちなみに私は、右目が見えていない。

でも、スキルの情報でなんとかなっている状況だ。ゆっくり魔力が減っていく。


まあ、なんとかなるか。

そう思い、魔法陣に踏み込む。



次の瞬間、私たちは外……海の中にいた。


「そうじゃん!アミ、転移!」


「わかった!」


急いで私たちは手をつなぎ、転移した。


着いたのは、ギルド前だった。


「あれ?魔王城じゃないの?」


私の、当然の疑問だった。


「でも…」


言い直すようにして、言う。


「でも、それだとリゼが嫌かなって…魔王城なんてさ、敵のアジトみたいなものでしょ……?」


そんなことか。


「だーかーら、大丈夫だって!心配してくれるのは嬉しいけど、大丈夫だから!」


どうしよう。アミがかわいい。

そんな空気を邪魔するように、シンが言う。


「どうせなら、買い物してこうよ。もう冷蔵庫の物も減ってるし、リゼの目のためにも、何か買ってこよう。ポーションとか」


「「賛成!!」」


つまり、ショッピングだ!

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