7話
悠斗と彼の艦隊は、宇宙海賊との決戦に向けて準備を整えていた。これまでの戦いで得た経験と新たな戦力を駆使し、敵を圧倒する戦略を練り上げていた。
サンダーボルトのベルナルドから連絡が来たアルファスから3光年離れた位置にあるオブリビオン星系にいるらしい。
オブリビオン星系は別命カオス星系と言われるらしく
環境: 多くの小惑星帯や宇宙デブリが漂っており、航行が非常に困難な地域。重力場の乱れや磁場の干渉が頻発し、電子機器の動作が不安定になることも多い。
視界: 隕石群や宇宙塵により視界が悪く、センサーの精度も低下する。ステルス戦術が有効に機能しやすい。
まあ自分達に有利な地形を選ぶよね主な有利な点
地形の複雑さ: 小惑星帯や宇宙デブリを利用しての奇襲や待ち伏せが容易。敵の動きを隠しやすく、機動力を活かした戦術が有利に働く。
隠れ場所の豊富さ: 多くの隠れ場所があり、艦艇を隠して敵の不意を突くことができる。トラップや地雷を仕掛けるのにも適している。
電子戦の優位性: 磁場の干渉や重力場の乱れを利用した電子戦が効果的。敵の通信やセンサーを妨害し、混乱を引き起こすことが可能。
中央指令室
4人は今回の宇宙海賊に対する会議をしていた。
最初にハルが話す
「当然、待ち伏せが考えられる」
「そうですね。うちの装備なら待ち伏せも問題ないと思いますが何事も想定外が有ってはいけませんから。私が駆逐艦100をひきいて対応させていただくというのでどうでしょうか?」
「そうですねそれだけあれば出鼻をくじくことは出来るでしょうし問題ないかと」
ハルの言葉にパラケルススとエルダーリッチがつづく
「あとは電子戦ですが現地に行ってみないと分かりませんが魔法処理されているので基本的に問題ないと考えてよろしいかと思いますが通信に関してはこちらで念入りに調整しておきます」
「エルちゃんおねがいね。あとはベルナルドの事なんだけど…」
「おなしくしていれば良いんですけどね~」
「多分無理」
「その時は一発かましてやりますよ!」
そんな感じで会議は続いた
ブラッククローとレッドスコーピオンの正面決戦でベルナルドは悠斗たちの後方に位置している
決戦の日、悠斗の艦隊は宇宙海賊のメイン部隊と正面から対峙した。ブラッククローとレッドスコーピオンの艦隊は、強力な武装を誇っていたが、悠斗の艦隊はそれ以上の装備を備えていた。
「マスター、敵艦隊が接近しています。ブラッククローとレッドスコーピオンの主力部隊です」
ハルが報告する。
「了解。ここで決着をつける」
悠斗は冷静に指示を出した。
両軍は激しい砲火を交わし合ったが、悠斗の艦隊はその圧倒的な火力と防御力で敵を圧倒していた。フェンネルの魔導縮退砲が火を吹き、敵艦を次々と撃沈していく。
「魔導縮退砲、発射!」
悠斗の命令で巨大なエネルギー砲弾が発射され、敵艦隊に甚大な被害を与えた。
また今回は戦艦を2隻建造していてパラケルススとエルダーリッチの専用艦だ。
パラケルススはアルケミアで自動修復機能がついているのとエネルギー効率が良くて長期戦向きの性能になっている。
パラケルススはネクロマンシアと言う。一時的なバリアやマナキャノンの出力を限界以上に上げることが出来るがエネルギーの消耗が激しいのでコチラは短期決戦向きだと言える。
数の上では相手の方が多いにもかかわらずコチラは損耗は0で相手に一方的に殴り続けている状態だったが宇宙海賊もジリ貧と分かっているので流れを変えに来た。
レッドスコーピオンの特殊部隊の奇襲
戦況が悠斗に有利に進む中、レッドスコーピオンの特殊部隊が奇襲を仕掛けてきた。彼らはステルス機能を駆使し、悠斗の艦隊に接近しようとしたのとタイミングを合わせてベルナルドが裏切ったのだ。ベルナルドは攻撃というより電子戦を仕掛けてきたのだ。通信妨害やハッキングなどだ。
「マスター、敵の特殊部隊が接近中です。予定通りパラケルススに対応させます」
ハルが報告する。
レッドスコーピオンの旗艦を中心とする奇襲部隊500隻が襲いかかってくる中、パラケルススは冷静に対処した。彼の指揮する艦隊100隻は、魔導レールガンとマナキャノンを駆使し、敵の奇襲を正確に撃ち落としていった。
「魔導レールガン、発射!」パラケルススが指示を出し、圧縮され魔法でコーティングされた岩の砲弾が敵艦艇に向かって飛んでいった。敵艦艇は次々と破壊され、奇襲は失敗に終わった。
「パラケルスス様、敵艦隊の大部分を撃破しました!」副官リッチが報告する。
「よし、次は残りの敵を追撃し、完全に無力化する!」パラケルススは冷静に指示を出し続けた。
「マスター、ベルナルドが裏切り攻撃を仕掛けてきました。ハッキングの試みも確認されました」
ハルが報告する。
「ベルナルドが電子戦を挑んできていますが、効果はありません。」
エルダーリッチが冷静に報告した。
「むしろ、こちらが逆にハッキングを仕掛けます。魔法的な処理のされていないプロテクトなど簡単に突破して見せます」
ハルは即座に反撃に出た。彼の高度なハッキング技術により、ベルナルドの艦隊のシステムが次々と乗っ取られ始めた。
「なんだ、味方が攻撃してくるぞ!」海賊たちは混乱し、パニックに陥った。
「制御が効かない、システムが乗っ取られている!」別の声が響く。
ハルは巧妙にシステムを操り、ベルナルドの艦隊に同士討ちをさせることに成功した。混乱と混沌が広がる中、ベルナルドは自らの策が完全に裏目に出たことを悟った。
「何をしている!味方を攻撃するな!」
ベルナルドの怒号が響くが、その声もむなしく、彼の艦隊は自滅への道を歩んでいった。
「ベルナルドの旗艦のシステムを完全に制圧しました。」ハルが悠斗に報告した。
「よくやったねハル。これで彼らの抵抗は終わりだ。」
悠斗はほっと一息つきながら、次の指示を出した。
「ベルナルドの旗艦を撃沈し、残存部隊に降伏を勧告せよ。」
ベルナルドの旗艦は圧倒的な火力で撃沈され、彼の艦隊は完全に壊滅した。残った海賊たちは悠斗の降伏勧告を受け入れ、生き残った兵士たちは次々と武器を捨てた。
レッドスコーピオンとサンダーボルトの旗艦が撃沈したことによって敵の士気は完全に崩壊した。
戦況は完全に悠斗に有利に傾いた
旗艦はブラッククローのみとなった宇宙海賊の残存部隊は混乱に陥り、戦意を喪失した。悠斗は降伏勧告を発し、敵に投降を呼びかけた。
「敵の残存部隊に告ぐ。これ以上の戦闘は無意味だ。直ちに降伏せよ。命を保証する」
悠斗の降伏勧告に対し、ブラッククローと残存部隊は次々と降伏した。
「マスター、敵の降伏を確認しました。これで決着がつきました」
ハルが報告する。
「了解。じゃあレオン男爵に報告して残存部隊の受け入れをしてもらおう。ハル近くに居るハルバート軍に繋いでくれる」
「了解」
そして映し出されたモニターには男爵ではなくセリスが映っていた。
「何故セリスさんがいるのですか?予定では男爵が来られると伺っていたのですが」
困り顔の悠斗にセリスが答える
「申し訳ありません父は急な用件が入りまして私が代理として来ました。ですが任務はしっかりこなしますので安心してください。それにしても流石は悠斗様の艦隊ですね全く損害がないとは凄まじいとしか言いようがありません」
「まあアストリアの権利が掛かっていますからね」
「悠斗様は仕官なさるおつもりは無いのですか?」
「申し訳ないのだけど今の協力体制でお願いしたい」
「分かりました。気が変わりましたらいつでもおっしゃってくださいね」
「へいへい」
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