2話
悠斗とハルがダンジョンの開拓と防衛強化に励んでいたある日、警報が鳴り響いた。ハルのセンサーが、宇宙空間に近づく不審な艦艇を検知したのだ。
「マスター、不明艦がこちらに向かってきています。数は7隻」
ハルが冷静に報告した。
「念のために戦闘態勢を整えて待機してて。もし敵じゃなかったら目も当てられないからね」
悠斗は緊張しながらも、準備してきた武器と防衛システムの実戦投入に向けて動き出した。
「相手からの通信来ました」
「開いてください」
モニターに悪人ですと言わんばかりのピンクのモヒカン野郎が現れた。
「よう!兄弟景気はどうだい?」
「資源って言ってもたいしたものは採掘できないし全然ですよ」
「そいつは不景気でいけねーな。そんなお前たちに残念なお知らせなんだが命が惜しかったらあるだけの鉱石を出しな。お前たちが活動しているのは知っているんだ出し惜しみするんじゃねぇぞ」
悠斗はため息をつく
既にバリアを展開しているのだが隠蔽の魔法で少しでもわからないようにと思ったら全く気付かれていない様子
接近するまでのスキャンデータではバリアが破られることはないそうなので安心だがこのまま帰すわけにもいかない。
パラケルススとエルダーリッチに試作魔導レールガンを準備させると、それに気付いた海賊も戦闘態勢に入る。
「それがテメェらの答えってんなら自分の選択を後悔してしね」
一斉にレーザーを発射するもバリアに阻まれる当たった瞬間に青白い光を発してレーザーを霧散させる。
「なんでこんな小惑星にバリアがあるんだよ」
「ってことはこいつら倒せばバリア装置とかが手に入るわけか最高だな」
「仕方ねえ、一点集中攻撃で穴をあけるぞ。続け!」
「「おう」」
しばらく攻撃を受けても問題ないことを確認した悠斗たちはパラケルススとエルダーリッチに命令して魔導レールガンの試射をさせた
海賊たちは異変に気づ生きたが笑っていた
「今どきレールガンなんて通用するわきゃないだろう」
「バリアに弾かれて終わりだっての」
「バリアに頑張り過ぎちゃったのかな~?」
言いたい放題であったが次の瞬間海賊の動きは一瞬止まることになる
そのレールガンは普通ではなかったのだバリアを貫通して大破させたのだ
「戦闘中にとまるとはいけませんな」
エルダーリッチは止まった宇宙海賊を打ち落とす
「あれはやべぇ各機回避運動を取りつつ攻撃しろバリアも無限に持つわけじゃねえ」
「「おう」」
最初の時と違いパラケルススもエルダーリッチも魔導レールガンを使った実践は初めてという事もあり海賊に回避運動に入られたら上手く標準が合わなくなって直撃が無くなった。
その動きに気づいた宇宙海賊たち
「リーダーこいつら素人だいける」
「コレならやれるぞ」
そう息巻いている海賊に対して悠斗たちは余裕だった
「パラケルススさん照準機能に関してはアップグレードの必要性がありますね」
「そうですねそういう意味では実戦経験は貴重ですね」
呑気に改善案を話していた。
「マスター、次はマナトーピードを試してみましょう。これは広範囲に効果がありますから、敵艦隊を一掃できるはずです。」
ハルの提案に頷いて見せる
「折角だしマナトーピードの試射もやってしまおう」
「ハル悪いんだけどお願いしていい?」
「分かった」
ハルの命令に従い、モニターを操作しマナトーピードの発射準備を始めた。マナトーピードは、魔法と科学を融合させた強力な魚雷であり、広範囲にわたる破壊力を持つ。
宇宙海賊たち
「リーダー奴らまだ何かやってくるようですぜ」
小惑星からミサイルの発射口が出てくる
「あれは魚雷か全機デコイとチャフの用意レールガンの事も考えたら魚雷もやばいかも知れん」
悠斗は敵に最後通告尾する
「敵に告ぎます。10秒後にトーピードを発射します。停船して武装解除すれば命の保証はします死にたくない人は停船してください」
「ちっ!仕方ない出直すぞ全機撤退」
10秒後にマナトーピードは発射された、悠斗はモニターを見つめながら緊張の一瞬を迎えた。
「デコイ射出続いてチャフも散布だ」
「了解」
「ダメだ真っすぐこっちに来やがる」
「なんでこんな目に合うんだよ」
中央指令室
「5機の撃沈を確認しました」
「了解ありがとうハル」
バリアはこのままでリッチたちに警戒は任せて4人は会議室に移動した。
「今回の初戦闘での感想を頼む」
最初に発言したのはパラケルススだった
「主、初戦闘にしては上出来だったと思います。特にマナトーピードの威力は予想以上でした。魔法的に追尾しているので相手のデコイやチャフには反応しないという事が分かったのはかなりの強みだと思います。ただし、魔導レールガンのほうですがコチラは照準精度には改善の余地がありますね。実戦経験で予測範囲の精度上げていくしかないかと思います。」
「それなら丁度いい古代魔法がある魔石の負荷は上がるし精度は高くないが簡単な予知の魔法なら施せるがどうする?」
エルダーリッチのまさかの提案に驚きながらも負荷も思ったより少なく済みそうなので組み込むことにした。これでデータも集まり精度が上がれば他の種族でも扱えるようになってくるだろう
「次にバリアなんだけど波状攻撃にも耐えてたし問題なさそうだね」
「そうですねあの程度の攻撃なら無限に耐えれます。魔導エンジンの出力を舐めないで欲しいですね」
エルダーリッチが悠斗の感想にこたえる
「今後の課題としてはデブリの回収をしたいとこだね採掘にも限界があるし資源をそのままって言うのも勿体ないからね」
「まずは無人ドローンでしょうか。いざという時に有人でも可能なようにスペースを考えるとサイズは…。形状をこうすれば…」
パラケルススが一人の世界に入っているのでドローンに関してはパラケルススに任せることにした。
デブリの回収についての話題に戻り。パラケルススが新たなドローンの設計に没頭している間に、悠斗は即席で作ったパワースーツをオーガに着せて少しでもデブリの回収をさせることを思いついた。
「パラケルススがドローンを完成させるまでの間、少しでもデブリを回収する手段があるのは良いことですよね」と悠斗はハルに話しかける。
「マスター、それはいいアイデアです。オーガは力が強いので、パワースーツで補強すれば効率的にデブリを回収できるでしょう」とハルが応えた。
エルダーリッチは早速、ダンジョン内の資材を使って即席のパワースーツを設計し始めた。リッチたちの補佐もあり魔法と科学の知識を駆使してパワースーツを強化するアイデアを出し合った。
数日後、パワースーツが完成した。スーツはオーガの巨体にぴったりフィットし、耐久性とパワーを増強するための魔法エンチャントが施されていた。
「さあ、オーガに着せてみよう」と悠斗が言った。
オーガたちは初めて見るパワースーツに興味津々だった。パワースーツを着せられると、その巨体はさらに力強く見えた。
「では、さっそくデブリに回収を試してみましょう」
エルダーリッチが提案した。
悠斗たちは、オーガにデブリの回収指示を出し、宇宙空間に送り出した。パワースーツを着たオーガたちは、デブリの回収作業を開始した。大きなデブリを軽々と持ち上げ、指定された場所に運んでいく様子は圧巻だった。
「これはすごい!防衛以外だとこれがメインになってしまいそうだよ」
悠斗は絶賛した
「パワースーツなので近場の物しか回収できませんがうまく機能しているようです。これでしばらくの間はデブリの回収に困らないでしょう」とハルが言った。
悠斗たちは、オーガたちの作業を見守りながら、次なる計画を練り始めた。デブリの回収が順調に進むことで、ダンジョンの資源がさらに増え、次のステップへの準備が整うのを待つだけだった。
こうして、悠斗たちは即席のパワースーツを利用してデブリの回収を成功させ、ダンジョンの発展に向けて着実に前進していった。
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