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軽はずみな罰

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ローファンタジーですが、恋愛も少々入ってます。

物言いが直接的なので、R15です。

苦手な方はご注意下さい。


人外が好きです。人間の精神性を持ち合わせない生き物が好きです。だって一切感情移入出来ないから。自分とは全く別の生き物だって思えるから。他の人間もそうであったら良いのに。


この境内にはただ一人、いや、ただ一柱を除いて誰も居ない。何故なら此処の主が私を一時的に拐かしたから。秘密の話がしたい時に、御前が為さる手法だった。

私はそんな境内の中でベンチに座ってぼんやりとしていた。ただ聞こえるのは風の音と、木の葉が擦れ合う音、其れから水が流れる音だけだった。

心地が……良い。油断をすると眠ってしまいそうな程。

そう、ただ欲のままに瞼を閉じ掛けた時のこと、ひんやりとしたものが頬に当たった。瞼を開くと絶世の尊顔が目に入り、顎を、顔を上向きに固定なさる。御前と視線を合わせれば、柔らかい、人外の色を称えていた。

「書いてはくれないのかい? 私との艶事を」

「恐れ多いので」

「あれ程私を求めてくれているのに、どうして? それは一種の背徳感から?」

ご自分で質問なさって起きながら、その答えを封じる様に唇を奪われた。べろりと舌先が歯茎を詰り、舌を犯す。

椅子に肘を引っ掛けて、馬乗りになる様な真似はなさらない。けれどもそうされたのと同じ様に、私は御前の体に閉じ込められていた。其れは生きた檻。下手な鉄格子よりも逃げられない。

「書いたらきっと、一つになる事を望みますよ。貴方と私の境目が曖昧になる」

どれだけ貴方様との艶姿を想像しても、番う姿を鮮明に思い描いても、其れを現実にしてはいけない。そしたらきっと、感情移入してしまう。神様だって、人間とさして変わらないじゃないか、と思ってしまう。其れは良くない……。きっと戻れなくなる。

「そうなって欲しいのだけど。君の人間性を壊して、全部全部、此方側に染めたいのだけど」

思わず息を飲む。まずい。早くしないと、きっとこの場所から逃げられなくなる。戻れなくなる。けれども御前は全て見透かしたかの様に、私から離れては下さらない。

「……ん、まぁいいか。書きたくないなら、書かせるだけの事」

頭の何処かで警告音が鳴る。『絶対に君とは分かり合えない』と。其れが軽はずみに人外を愛した罰だとでも言う様に。

人外が好きなんですよ。

人間と決して交わらない精神性が好きなんですよ。

下手な感情移入をしなくて済むから。

勝手に期待して落ちる事が基本的にないから。


という訳で、軽はずみに神様に恋をした子の話です。

艶ごと想像する程好き。

だけどそうなったとき、神様だって人間らしい感情が見てしまうかも知れない。失望するかも知れない。

だから拒絶してるんですよ。

でもその考え自体、べらぼうに甘かったという話。


神様的には、この子の人間性が壊れて神性に成り果てても全然困らないし、寧ろ、その方が都合が良い。

心から彼女の事を思った上でのこの発言。


この大きなズレさえも知らないで、軽はずみに人外を愛した罰。という話。


最後の台詞は彼女の成れの果てを予言してるみたいで好きです。

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