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悪女と言われ婚約破棄されたので、自由な生活を満喫します  作者: 水空 葵
第2章

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70/100

70. 冷蔵庫のお陰です

「今日もすごく美味しいわ」


 食事を始めてすぐ、まずは一口ずつ味わってから、感想を伝える私。

 一口だけで感想を言う人もいるけれど、一品に料理人さんが複数人ついて作っているから、全員にお礼を言ったことにはならないのよね。


 むしろ、感想を言われていない料理を作った人は、自分の作った料理が不味いと思われていると錯覚してしまうこともあるみたいだから、そんな酷いことは出来ないわ。

 グレン様も同じことを考えているみたいで、私よりも早く一通りを口にしてから感想を口にしていた。


「お褒め頂き光栄でございます」

「夕食も楽しみにしているわ」

「ありがとうございます。夕食でも精魂を込めて作らせて頂きます」


 そんな言葉を言って、使用人さん達が座っている方に移動する料理人さんを視線で見送る私。

 すっかりみんなでの食事も当たり前の光景になって、使用人さん達の緊張も少なくなった気がするわ。


 でも、そんな楽しい時間は一瞬で過ぎていくもので、あっという間にお皿の上が空になってしまった。


「ごちそうさまでした」


 忙しかった公爵家では、食事を終えたら各々で席を立って良いことになっている。

 全員が終わるまで離れられない家もあるみたいだけど……。


 だから先に食事を終えていたグレン様の姿はもう無くて、私はカチーナと私室に戻った。


 それから、風魔法の魔道具にするための魔法陣を出して、カチーナに声をかけた。


「カチーナ、今日は魔力の余裕はあるかしら?」

「はい。新しい魔道具の実験ですか?」

「違うわ。魔道具にすぐ作業を手伝ってもらおうと思ったの」


 これから、今朝の夢で見ていた二人で同時に魔力を込める方法を試そうと思っている。

 だから朝のうちに暖炉の魔道具に使うことになる風魔法の魔道具を用意していたのよね。


「はい……? 魔道具って、全部の属性の魔力を一度に込める必要があるのですよね? 私が居ても邪魔にしかならないと思いますが……」

「今まで一人でじゃないと出来ないと思っていたのだけど、全部の属性を同時に込められるなら、複数人でも問題無い気がしたの」

「なるほど。試す価値はありそうですね」

「私は水以外を込めるから、カチーナは水をお願い」

「畏まりました」


 そんなやり取りをしてから、砂時計をひっくり返す私。

 ちなみに、魔力の込め方は教えるまでもなく、魔法を扱える人ならだれもが会得している。


 だから、合図さえ出来れば問題無いと思っている。


「上の砂が無くなったら、込めるわ」

「はい!」


 少しずつ減っていく砂を見つめながら、手を構える私達。

 そして……。


 音もなく最後の砂が落ちたから、私は魔力を込めた。


「レイラ様、いつもと感覚が違うのですけど?」

「魔道具になった証拠だわ。成功よ!」


 戸惑いながら口にするカチーナに、そう返す私。

 まさか一回目で成功するだなんて思わなかったわ。


 試しに魔力を流してみると、しっかり魔道具になっていることが分かった。


「これ、結構魔力を使いますね……」

「そうなのよね……」


 魔法なら効率を上げることで、少ない魔力で強力な魔法を使うことも出来る。

 けれど、魔道具を作る時は効率なんて関係なくて、一定の量が必要になるのよね……。


 魔石から魔力を得ることも出来るけれど、魔石に入っている魔力は属性が決まっていて、魔石から魔力を得ながら魔法を行使するという使い方しか出来ない。

 魔道具はどの属性の魔力でも使えるのだけど、普通に魔法を使う時には不便なのよね。


 それに、魔石から得た魔力は一つの属性しか留められない。

 適性がある属性なら、魔石から魔力を得ること自体は簡単なのだけど、魔道具作りに使うとなると無理なのよね……。


「でも、魔石があれば何回でも出来そうです!」

「水の魔石、ここにあるけど試してみる……?」


 今度は暖炉の代わりになる部分、火魔法の魔法陣を魔道具にすることに決めた。


 さっきと同じように魔力を込めると、また同じ手応えが返ってくる。


「これも成功ね……」

「これなら、奥様と他の使用人で一つの属性を受け持てば、魔石があるだけ作れますね!」

「そうね。誰かさんのお陰で魔石はたくさんあるから、試してみたいわ」


 最近は魔物が出てこないけれど、魔物自体は町から離れれば自然と見つかるのよね。

 それに、いくら倒しても絶滅しないから、その気になれば無限に集められる。


 だから魔力の問題は解決したと言ってもいいかもしれないわ。


「分かりました! では、他の侍女を呼んできますね」

「ありがとう」



 そんなことがあって、私の私室には侍女が五人と私の合計六人が集まることになった。

 でも、元々の部屋がかなり広くつくられているから、窮屈さは感じなかった。


 アルタイス邸にある私の部屋だと、この人数が集まると圧迫感を覚えるのに……。


「みんな準備は良いかしら?」

「「はい!」」


 ちなみに、今回は光魔法を扱える人はいないから、必然的に光魔法は私が受け持つことに決まった。

 光の魔石は少ないから、最初は自分の魔力を使う事に決めている。


 他の五属性分の魔力を使わない分、あと十回くらい試せるのよね。


「……これが魔道具の手応え、ですか……?」

「ええ。今回も成功したわ。

 みんなありがとう」

「でも、奥様は魔力を使っていましたよね?」

「次は魔石だけで試してみるわ」


 そう口にした時だった。

 扉の外から、グレン様の声が聞こえて来た。

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  義母と実父の会話を聞いてしまったレティシエルは、追い詰められていた。 実父が愛してやまない義母によって捨てられようとしていたから。
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