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一番気合の入った話


 俺は異世界転移者というやつらしい。

 流行りモノ(?)の気配がする響きだ。

 俺は今部屋中が本棚の森になっている書斎にいる。古い紙の甘い匂いが充満していて、なんだか落ち着いた。

 その書斎の――というか、この屋敷の主であるその男の様子を、俺はそっと伺っていた。

 部屋の奥にある書斎机は飴色の木製でかなり立派だ。本棚も、整理整頓が行き届いている。その机についてなにか書き物をしている男が、俺をこの……異世界? に召喚した張本人らしい。

 褐色肌に、紫がかった銀髪のコントラストが眩しい。後ろ髪はかなり短いのに、前髪がどうしてそんなにというほど長かった。白衣みたいな服の下にゆったりしたシャツの布は柔らかそうだ。もしかしたら高級品なのかもしれない。というか白衣が日本で見た白衣と全く同じで不思議な感じだ。

 一番印象的なのは前髪で隠れたその目だった。

 なにか困ったことでもあったのか、そいつは片手で猫っ毛の前髪をかきあげる。

 チェーンのついた丸眼鏡の向こうに見えたのは、ちらちらと虹色に光る両目だった。あまり至近距離で見たことはないが、光の当たり具合で色が変わって見えるらしい。

 まずその珍しい色に目を奪われるので、そいつが垂れ目気味なのに迫力のある目元をしているというのを見落としがちだ。

 こうして全体をみていると、かなり落ち着いていて知的な雰囲気の男だ。

 そいつは俺がじっと見ていることに気がついたらしい。眉間に皺を寄せると、おりた前髪の隙間から俺を睨みつけた。

「何見てんだ、てめえ」

 前髪の向こうから目を細めて、見下すような角度で男は俺にそう言った。

 そう。このカスパー・ジークザオゲン・シュバルツという男は、理知的な見た目に反して中身のガラがめちゃくちゃ悪いのである。

「なんでもないよ」

 俺はふるふると首を横に振る。

 カスパーは不機嫌そうな顔のまま少しの間視線だけ俺に向けていたが、やがて書類に集中していった。

 時々カスパーが手元で指を動かすと、なんの音かぱちぱちと弾けるような音がした。

 こんな感じで出会ってから日が浅いが、カスパーはガラが悪いだけで悪いやつでは……ないと……思う。多分……。

 だってカスパー、俺を召喚したとき「手違いだ。すまない」ってものすごく丁寧に謝罪してくれたし、「帰る方法が見つかるまで面倒を見る」って言ってくれた。

 それからちゃんと衣食住の世話をしてくれて、俺は何不自由なく暮らせている。あまりに不自由がなさすぎて暇なくらいだ。

 まあ屋敷の外に出るなって言われてるのは不便なんだけど。

 カスパーの話を聞く限り、どうやらここは剣と魔法のファンタジー的な世界らしい。

 カスパー自身は剣より魔法――ここでは魔術と呼ぶらしい――が得意らしい。魔術士なんだろうか。カスパーはこちらから聞いてもあまり色々話してはくれないので憶測ばかりなのだが。

 俺は本棚から手近な本を手に取った。分厚くて、表紙の立派なでかい本だ。カスパーの書斎にはこの革みたいな表紙のでかい本ばかり置いてある。手に取った本の中には英語に近い謎の文字が書いてある。

 英語はできないくせに、俺は何故かこの文字と文章が読めるのだ。時々意味がわからないところもあるが、大体の文法はわかる。そういう魔術とかかかってるんだろうか。助かる。

 しかも日本語で話してるつもりなのに普通に口頭でカスパーと話だってできるのである。不思議だ。

「なあ、カスパー」

「あ?」

 俺は手に取っていた本を仕舞うと、机の近くに寄っていってカスパーの様子を見る。

 山のような書類と、インク壺らしき瓶、算盤みたいな計算機が置いてあった。手に持っている羽ペンが青くて綺麗だ。

 カスパーは相変わらず不機嫌そうだが、ちゃんと顔を上げてこちらを見てくれる。

「カスパーはなにしてんの?」

「仕事」

 答えは一言だけ。ぶっきらぼうな声を最後に、カスパーはまた書類に目を落とした。へなりと姿勢を崩した書類を、音を立てて見やすく立て直す。

「……カスパーってなにしてる人なの?」

「錬金術士」

 視線がちらりとこちらを向いて直ぐに書類に戻る。

 ……なんだかんだで無視はしないしこっちも見てくれるんだよな。

「錬金術士ってなにする人なの?」

「……薬とか、魔石とか、魔道具とか……あー、色々作るんだよ」

「薬って? 魔石? 魔道具ってどんなの作るの?」

「はー……クソ」

 カスパーはがしがしと頭をかくと、面倒そうな顔で書類を置いて頬杖をついた。

「薬品、魔石、魔道具。どれについて知りてえんだ?」

「え? えっと……魔道具!」

 普段からカスパー以外の人間と交流がないので、話ができるのが嬉しい。俺が元気よく答えるとカスパーは躊躇いなくびしりと本棚の一つを指さした。

「左から三番目の棚、三列目、四段目、十一冊目に専門書がある。暇なら読め。邪魔だ」

「……ウッス」

 答えてくれるのが嬉しくて仕事の邪魔してしまった。書斎出入り禁止にされたら寂しいので大人しくしていよう。俺はとぼとぼ指された本棚の方へ歩いていった。

 えー、左から三番目、三列目、四段目、十一冊目……。

 数えていくと本当に魔道具の本があった。嘘だろ、もしかしてカスパーここの本の場所全部覚えてんのか?

 舌を巻きながらずしりと重いその本をとりだす。

 部屋に充満した古い本の甘い香りが、本を開けるとふわりと強くなった。

 いい匂いだな。

 活版印刷だろうか。開いた本のページは文字がプレスされたように凹んでいた。その窪んだ文字を指でなぞると、なんとなく懐かしい気持ちになった。

 俺は床に座ってその本を読み始める。

 ……が、なにもわからない。

 文字が読めないわけではない。理解ができない。

 多分これはガチガチのガチに専門書なんだな。説明に使われている単語が専門用語らしくて意味がわからない。

 一旦手に取っていた本を仕舞って別の本を取り出した。中を少し見てまた別の本。それを何冊か繰り返す。どれもこれもどう見ても初心者向の内容の本ではない。

 ……それもそうか。お仕事してる錬金術士が書斎に入門書なんて置いてないよな……。

 最終的にやはりカスパーが示してくれた本を開き直した。意味がわからないものの、図解の絵などを見ているだけでも面白い。

 俺はしばらくその本を眺めていた。

 どのぐらい時間がたっただろう。ふと気がつくとカスパーがすぐ横で屈んで俺の手元を覗いていた。

 距離が近い。

 カスパーの前髪は虹色の目を隠すような長さだ。しかし髪の一本一本が細いからか、それとも色が薄いからか、髪の向こうの顔が透けて見える。表情を伺うには問題なさそうだ。

 前髪の隙間から眼鏡を通して、虹色の瞳がよく見えた。いや、正確にいうと虹色ではなさそうだ。乳白色をベースに、虹彩がきらきらと遊色反応を起こしているみたいに見える。

 オパールみたいな輝きの目だった。とても、綺麗だ。

「面白えか? それ」

 カスパーはちらりと俺の顔を見ながら聞いてきた。すぐに目を逸らされたが、その顔は相変わらず仏頂面だ。

 それ、って本のことだろうか。

「この本のこと?」

「ああ」

「よくわかんないけど、面白いよ」

「よくわかんねえことが面白えのか?」

「よくわかんないことと面白いことは別の問題じゃないのか?」

 俺はロケットの発射中継とかをスマホで見るのが好きだった。正直見ててもアナウンスが何を言っているのかよくわからなかったが、面白かった。

 カスパーは眉間に皺を寄せると、少し考え込んでから屈んでいた体制から立ち上がって姿勢を正した。

「そうか……」

 カスパーは身長がでかい。一八〇センチは余裕であるのではなかろうか。俺もこれくらいでかくなりたいものだ。

「仕事終わったのか? カスパー」

「区切りはついた。腹は?」

「減った!」

「そうか」

 カスパーは少しだけ目許を緩めると、「来い」とジェスチャーをして俺に背を向けた。とっとと歩いていってしまうカスパーは歩くのが早い。俺は慌てて本を元の場所へ戻すとカスパーを追いかけた。

 カスパーは廊下で待っていてくれた。追いかけてきた俺のことを目視で確認すると、またすぐに背を向けて歩き出す。

「なあカスパー」

「なんだ」

 俺はカスパーの隣に行こうとするが、カスパーの歩く速度が早すぎて追いつかない。いや、これはおそらく脚の長さの問題である。俺はカスパーの後ろを早足で追いかけながら、前を向いたままのカスパーに尋ねた。

「俺がお前に呼ばれてこの世界に来て、もう一週間は経つけど……俺、ちゃんと帰れるのか?」

 その質問をきいてカスパーは俺の方をちらりと振り返った。

「……正直わからん」

 カスパーは苦々しくそう返事をして前を向き直した。

 なんだ、そうなのか。俺は少なからず落胆した。

「じゃあもしかしたらもう二度と家に帰れねえかもしれないんだなぁ」

「無理によんだのは悪いと思ってる。だけどな、帰す方法は絶対に見つける。安心しろ」

 カスパーは強い口調でそう言った。なんだか頼もしい。

「……俺もな。てめえみてえなガキを故郷から無理矢理引き剥がして、良心が痛まねえほど悪人じゃねえんだ」

「ガキっつーほどガキじゃねえよ」

 反論すると、カスパーは足を止めた。いきなり止まるものだから俺はカスパーの背中にぶつかる。

 いたい。

 見上げると、カスパーが俺のことを怪訝そうにじっと見下ろしていた。

「ガキだろ。いくつだ?」

「十八」

「……」

 カスパーは信じられないものを見る目で俺を見ていた。これは俺の歳ずっと下だと思ってたっぽいな。いくつだと思ってたんだ?

「カスパーはいくつなんだよ」

「二十三」

「え!? 老けてんな! 二十八くらいかと思った!」

 思わず口から出た。カスパーは俺の頭を軽く叩くと、また前を向いて歩きだした。

 あれ、年齢の数え方って俺の世界とこっちの世界で近いのかな。まあいいか。

 カスパーについていきながら、俺はこの屋敷を改めて見回した。

 豪邸である。広い廊下には長い絨毯がしかれ、外壁側の壁には窓ガラスが沢山嵌められている。しかしよく見るとガラスは一枚一枚が微妙に歪んでいて、日本みたいなクリアな外景が見えるわけではないようだ。

 こういう豪邸、テレビの海外ドラマで見たことある。時代とか国とかよくわからないけど、ヨーロッパ? の貴族の屋敷みたいな感じだ。

 しかし立派な建物の割に使用人らしき人が一人もいないのである。だがカスパーが掃除や料理をしているところを見たことがない。それなのに掃除は行き届いているし、食事は食堂に用意されている。

 使用人達はどこかに隠れているのだろうか。

「カスパーって金持ちなの?」

 俺がキョロキョロしながら聞くと、カスパーは面倒くさそうに「あー」と唸ってから「まあな」と続けた。

 短い付き合いだが、こいつが面倒くさがりだということはなんとなくわかった。多分今なにかの説明を省略した。帰る目処が立たないし、そこそこの期間の付き合いになるのならもっと仲良くなって色々話せるようになりたい。

「カスパーって一人暮らしなのか?」

「まあ、この屋敷にいるのは俺とお前の二人だけだな」

「家族は?」

「……いねぇよ」

「そっか、俺と同じだな」

 にこにこ笑って言うと、カスパーは驚いたように一瞬歩く速さを緩めた。

「……そうかよ」

 そう呟くように言って、先ほどと変わらずに歩き始める。

 踏み込みはしないし、踏み込ませもしなかった。まあそんなに仲がいいわけでもないし、こんなものか。

 しかし俺はカスパーと、というよりも人間と話ができるのがうれしくて口が回る。

「兄貴が育ててくれたんだけどさ、ちっちゃい頃……うーん。死んじゃってさ。それから行くとこなくて大変だったから、むしろ居るとこもらえて助かったよ」

「――帰すまでは世話してやる。そのあとは知らねえぞ」

「わかってるって」

 なんだか兄貴が亡くなったのが星が生まれる前くらい昔のことみたい感じて、随分と落ち着いて話すことができた。あんなにあいつらを恨んでたのになあ。まあ、いいか。なんでだろう。すごくどうでもいい。

 ――どうでもいいと感じている自分に失望するくらい、どうでもいい。

「なあカスパー」

「よく喋るなてめえは」

「へへへー」

「で、なんだ」

「えーと、俺のこと召喚したの手違いだって言ったけど、あれどういうこと?」

「ああ……」

 この辺の事情とかさっぱり聞いていないのだ。カスパーは忙しいらしくて割と屋敷にいない。俺は誰もいないのに手入れの行き届いた屋敷の中で、ここに来てから一週間一人うろうろしていたのである。おかげで屋敷の構造は把握できた。

 カスパーと一緒に食堂につくと、大勢が席につけるような長ーーーーい食卓の端っこに食事が用意されている。カスパーがお誕生日席。俺は直角の向こうの右隣。

 俺の席にはがっつり肉料理やパンやサラダなどがある。しかしカスパーの席には三日月型のパンに野菜とチーズと肉を挟んだらしきサンドイッチとスープ……と、かなり簡単そうに見える食事が用意されていた。

 今までカスパーと一緒に食事をする機会は少なかったが、なんだかカスパーは毎度毎度サンドイッチを食ってる気がする。そういえば廊下で歩きながらサンドイッチ食ってるとこも見た。

 カスパーはサンドイッチが好きなんだろうか。

「席ついて食え。話してやる」

 席につきながら俺がじっとカスパーのサンドイッチを見ていると、カスパーは瞬きしてから首を傾げた。

「どうした。こっち食いてぇのか?」

「それも美味しそうだけどさ、俺毎回豪勢なご飯貰ってるじゃん。家主よりいいもん食っていいのかなって思って」

「これか? これは質素にしてるわけじゃねえ。俺がいつも食事に時間かけたくねえから好きで食ってんだよ」

 お客にこんな雑なご飯出すわけにはいかない、とカスパーは言う。

「そういうもん……?」

「そうだろ。いいから黙って食え」

「う、うん」

 俺が席について「いただきまーす」と挨拶するのをカスパーは怪訝な顔で見る。だが特に何も聞かずに彼は手を拭いてさっさとサンドイッチを平らげた。

 早い……。食べるのが……早い……。

 俺がせっせと急いで食べるのを見て、カスパーは苦笑した。

「俺が話している間に黙って食ってりゃいい」

 お言葉に甘えることにしよう。

 カスパーは食べてる俺を眺めながら口を開いた。

「俺が召喚しようとしたのは、正直お前じゃねえ。俺はいわゆる英霊ってやつを呼ぼうとしたんだ。偉人の霊……みてえなもんだな」

 カスパーはもりもり飯を食う俺の勢いをちょっと引き気味に見ながら話してくれた。

「大昔、この世は異世界から呼び出した大賢者に救われた――というような伝説が残ってる。俺はその大賢者に縁ある品を持っててな。その品を頼りに召喚式を描いて、呼び出した大賢者にいくつか質問をするつもりだったわけだが……」

 カスパーの言葉は歯切れが悪い。

「それを失敗したのか?」

「――まあそうなるんだろうな。何がどうなったのか、英霊召喚をしようとして何も関係ないお前が呼び出されたわけだ」

「すごい微妙そうな顔だなあ」

「正直ありえねえ」

 そこまで言わんでも。

 俺がしょぼくれた顔をしたのを見て、カスパーは顔をしかめた。

「違う。残念とかそういうこっちゃねえ。あの召喚式は起動するために必要な魔力が膨大すぎてな。動かせるだけの魔力が調達できる目処がたってなかった。だからあいつは動くはずがなかったんだ。なのに気がついたら勝手に動いてお前が出てきた。――お前、なんでここに来た?」

「知らんけど……」

 カスパーは心から疑問に思っている顔である。そんなこと俺に言われてもなあ。

「しかし何が理由かはわからんが……お前をここに呼んじまったのは俺の召喚式が原因だ。責任はとる。絶対にお前を元の世界に帰してやるから、しばらく待ってろ。――時間、かかるかもしれねえが」

「ん、ありがと」

 俺が素直にお礼を言ったら、カスパーは不審そうに目を細める。お礼を言って引かれるのってレアだ。

「……早く帰りたいとか、怒ったりとかしねえのか? てめえは」

「うーん」

 俺は咀嚼していたパンを飲み込むと、首を傾げた。

「帰りたいって心から思ったとしても、そういうときは絶対に帰してもらえないんだ。そういうもんだから、喚いても仕方ないよ」

 俺はそれを体感で知っている。

 俺がそう言って付け合せのじゃがいもみたいなのを食べると、カスパーは黙り込んでしまった。

「……お前、少し不気味だな」

「あんまりにもあんまりな言われようだわ」

 俺はカスパーに裏拳を入れるジェスチャーをするが、案の定カスパーには通じず顔をしかめられた。

「名前、ジウだったな?」

「うん、そうだよ」

「ここで暮らす上で必要なもの、知識、金、品なんでも要求しろ。応えられる分は応える」

 カスパーは真剣な面持ちでそう断言する。お金といい立場をそこそこ持ってないとこういうこと言えないよな、多分。

 俺はぱちくりと瞬きをすると、「じゃあ」と遠慮なく口を開いた。

「おかわり」

 皿を掲げる俺を、カスパーは珍獣を見るような顔で眺めるのだった。

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