ボウボウ
SNSに脳を溶かされる人間の
ハリボテとなった意識の向こうに
一生芽生えなかった風景が見える
四角のブルーライト放射機に
何を求めているのかと云えば
承認欲求というより
使える人間ですから生かして下さいと
聞こえてくるような懇願である
ボウボウと揺する
赤々となる頭の中に
刺激と生きることしかなくなれば
学に支えられた部分は壊れ
友人の誕生日すら忘れる
記憶と記録と思い出の境目が無くなり
積み木を縫い合わせたようだ
糸を切る刺激が来れば
一つづつ落ちるのだろう
誰に対して言っているのか
僕等に対してなのだろうと思うが
生存に利用できる力は大きい方が良い
名前がありそうな人間に認められ
それを得ることに意味があるなら
昔の人間を笑えない状態だろう
献上の手段が違うだけである
物を運ぶ従者には誰だってなれる
ボウボウと震える
白白となる頭の中に
未知と遊ぶ機能が存在しなくなれば
賭ける意味合いが廃れて行き
自分の力が海に落ちる
外燃と内燃とジェットの燃え方が消え
焚き火を逆さ吊りにしたようだ
エネルギーが拡散して
焼け野原になるのだろう