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アイドル女子寮奮戦記・改  作者: 青獅子
高校1年生
16/20

8月の蒼い空

この話を書くのも久しぶりな気がします。

完敗だった――――――――――――――。






全国高等学校野球選手権東東京大会3回戦・対帝道(ていどう)高校戦。渋谷(しぶや)学院は1回表・先頭の高橋さんが二塁打で出塁すると、続く中島さんも四球を選び、ノーアウト1,2塁。


ここまでは良かった。しかし続く佐々木さん・辰巳さん・林さんが三者連続三振に倒れ無得点。帝道の背番号11・2年生左腕の岩本(いわもと)さんを勢い付けてしまった。


続く2回表もこの日6番に座った俺の安打で走者を出すも後が続かず無得点。


渋学の先発・筒井さんは3回まで1人のランナーも出さない完璧なピッチングで抑えるも、打順が2巡目になった4回裏に3点を失う。そうなると完全に帝道のペースだ。打線の方も岩本さんと7回から登板した背番号18・1年生右腕の大久保(おおくぼ)に封じ込まれ、終わってみれば0−7の8回コールド負け。俺自身も3打数1安打という結果に終わった。先発の筒井さんは4回3失点でマウンドを降り、5回からは野中さんが登板し3回3失点。8回からは牧野さんが登板し、1アウトしか取れず1失点で万事休す。






試合後、部員全員で集まり、3年生が監督・そして父兄に深く一礼する。3年生はこれで引退。ここで涙を流さない3年生はいない。そして明日から新チームだ。




◇ ◇ ◇




この試合も麻衣さんと沙織さんが観戦していた。グラウンドからもちゃんと確認できた。試合後の記念撮影が終わった時、2人から声をかけられた。




「優くん、そして渋谷学院野球部の皆さんお疲れ様でしたー!」




2人は俺、そして部員にそう声をかける。するとある部員から、




「なんでツバキガールズがここにいるんだ・・・しかも2回戦も来てたよな・・・」




という声が聞こえた。そして、




「今日の試合、残念やったなぁ」




と麻衣さんは言う。そして沙織さんも、




「まぁ、優くんはまだ1年だしこれから頑張ればいいじゃん」




と言って、俺をなだめてくれた。そして、




「今日までは私たちがくんを応援してたけど、明日からはくんが私たちを応援する番やで(だよ)!」




と2人に言われたのは言うまでもない。そして帰りのバスで高橋さんから、「試合後の記念撮影で俺たちに声かけた2人、ツバキガールズじゃねぇか!しかもお前と知り合いみたいだし、お前何物なんだ?つーか前の試合も来てたじゃねーか!」と言われた。




よく考えたら2回戦、3回戦と人気アイドルが応援に来ているうちの学校もなんか異様だな。今日の試合に至ってはTwitterに、『今日の神宮球場、渋学のスタンドにツバキガールズのまいっちとさおりんごがいる。野球好きなのかな?』という内容の書き込みがあったくらいだし。




◇ ◇ ◇




渋谷学院は夏の大会が終わるとすぐさま新チームが始動し、主将には高橋さんが選出された。そして俺自身も、新チーム結成後も引き続きショートのレギュラーがほぼ確定し、練習試合では4番を任されるようになったのだ。




そして8月、ツバキガールズは3枚目のシングルが発売された。デビューから3枚連続で初日から100万枚以上が出荷されたという。これまでは俺がみんなに応援されていたけど、これからは俺が応援する番だ。




俺はそう思いながら、これから練習試合が始まる灼熱のグラウンドを駆けていった。

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