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プロローグ
僕はまた、夢を見ているのだろうか。
そう錯覚する時が度々ある。
そしてその夢から覚めた時、現実を痛いほど思い知らされる。
どれだけ自分勝手で、ご都合主義な夢を見ていたのだろうと。
現実が甘くないことは知っている。何事もうまくいかないのは知っている。
それでも。
その夢が一回だけでもいいから。
現実になってくれたらどれだけいいだろうか。
僕はそう考えてしまった。そしてそれは、現実になった。
僕の予想とは違う形で。
急に始まったこの物語が急に終わってしまった僕と彼女の物語の本当の終結に向かうことになることを僕はいつか知ることになる。